the Top 5 Lists
2013年、心にのこった5つの映画
1年を振り返ると、たくさんの映画が心のなかに蘇る。公開作品に限らず2013年に観た映画のなかから、心にのこった5作品をご紹介。
Toru Hachiga
QUOTATION - Editor in chief
- 1
- 『ゼロ・グラビティ』
- 2013年はこれだという映画がないなか、最後に2013年の記録に残る体験をさせてくれる映画。言語を超えた映像体感は、視覚だけではなく、脳と身体を通して新しい映像世界へと連れていってくれる。もちろんIMAX 3Dで見るのがベスト。
- 2
- 『ジャンゴ 繋がれざる者』
今年はスティーヴン・スピルバーグの『リンカーン』、そしてクエンティン・タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』。ふたりの監督によるそれぞれのアメリカ奴隷制度をテーマにした映画が公開されたが、ファッション、セリフ、音楽など、タランティーノらしい個性ある映画は、やはり面白かった。
- 3
- 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
CGのリアルな虎といった技術的な演出も効果的だけど、それ以上に映画としての構成、演出、そして映画にちりばめられた様々なメタファーが印象的な映画。最後に語られるもうひとつのストーリーを知って、DVDで見直した。
- 4
- 『人生、ブラボー』
原題「STARBUCK」ではなく『人生、ブラボー』という邦題、突然533人の子どもの父親になるというあり得ないストーリーが興味深く、もう少し面白くできるのではと思ったら、すでにハリウッドでリメイクが決まっているようで、そちらも楽しみ。
- 5
- 『タイピスト』
50年代のファッション、ラブロマンスなど、女性が安心して楽しむことができるフランス映画。女性にとって鉄板といってもいいこの手の映画は、時代に関係なく人々をハッピーにさせてくれる。時には男性もこういった映画を見るのもいいのでは。
Ayako Nakamura
UNZIP - Editor in chief
- 1
- 『わたしはロランス』
グザヴィエ・ドラン監督は、まさに2013年のニュースな存在! 新しい才能との出会いにときめいた作品です。本作に遅れて公開されたデビュー作の『マイ・マザー』も心に残ったいい映画でした。
- 2
- 『ムーンライズ・キングダム』
ウェス・アンダーソン監督の新作は、最も心待ちにしている作品のひとつ。「こんなにいいブルース・ウィルス初めて見た!」と大興奮で触回りました。今年、監督の全作品を改めて観ましたが、どれも大好きです。
- 3
- 『ムード・インディゴ うたかたの日々』
この映画を観た後、しばらくデューク・エリントンばかり聴いていました。ゴンドリー監督のファンタジックな映像と音楽がぴったりで、いまもデューク・エリントンを聴くと、映像が目に浮かんできます。
- 4
- 『ペーパー・ムーン』
ウェス・アンダーソンも影響を受けたというピーター・ボグダノヴィッチ監督の'73年の名作。子役のテータム・オニールが肌着で煙草を吸うシーンとか、あり得ないんだけど可愛いんです。今年は古い映画をよく観ました。
- 5
- 『ジャンゴ 繋がれざる者』
飛行機の中で観たのですが、面白かった。タランティーノ監督の作品の中では『ジャッキー・ブラウン』に似たムードを感じて、とても楽しみました。改めて字幕付きで観たいです(笑)。
Yuki Takeuchi
UNZIP - Editor
- 1
- 『ホーリー・モーターズ』
待望のレオス・カラックス13年ぶりの長編!盟友ドニ・ラヴァンとともに、いままでとは違う新たな方向に歩みだした、さまざまな示唆にも富んだ作品です。レオス・カラックス監督の来日も嬉しかったです。
- 2
- イングマール・ベルイマン諸作品
生誕95周年の2013年は傑作『第七の封印』『野いちご』『処女の泉』3作品がリバイバル上映されました。とにかくスクリーンで観ることができ感涙。いまなお色褪せない傑作、現代の映画にも全く引けを取らない素晴らしさです。監督のミューズ、リヴ・ウルマンとの恋愛を描いた『リヴ&イングマール』も公開されました。
- 3
- 『ゼロ・グラビティ』
- 宇宙空間という設定と最新技術によって生み出された映画の常識を越えてしまったようなカメラワークと映像、シンプルで壮大な物語。“これぞスクリーンで観るべき映像体験(しかもIMAXで)”という意味で映画の復権でもある。タイトルにしびれた。アルフォンソ・キュアロンがこんな映画を生み出すとは。
- 4
- 『嘆きのピエタ』
まさにキム・ギドク監督にしか生み出せたないような作品。残酷で孤独な男とそれを見守る女の物語が、二転三転しながら衝撃的かつ胸に刺さる結末…、しばらく唖然としてしまいました。
- 5
- 『熱波』
- ポルトガルの俊英ミゲル・ゴメスが世界を唸らせた作品。16mmと35mmフィルムの併用、モノクロ、一部サイレントという手法を使いながら現代と過去をつなぐ愛の物語。映像も美しく音楽の使い方も秀逸でした。メロドラマ的な要素もありながら、往年の映画の素晴しさを現代に蘇らせたような作品。

