Bones Brigade

: An Autobiography

スケートボードチーム、
Bones Brigadeについて

Yuki Takeuchi

僕が中学生の時、学校の仲間とスケートボードを真剣にやろうということになったんです。自転車で30分ぐらいのところにプロショップがあって、そこに売っていたのがPowell Peraltaから出ていたキャバレロやランス・マウンテンのシグネチャーモデルのデッキだった。デッキのデザインと名前から彼らを知って、雑誌を見てやっと名前と顔が一致しました。VHSは、仲間内で回して何度も見ましたね。

J-ONE

自分にとっては、彼らはひと世代上のレジェンドという感じですね。現役時代はほぼ見たことがない。トニー・ホークはもう芸能人だし。ランスは411VMというビデオマガジンに出ていたので、自分たちの世代でも馴染みがある人が多いかな。トニー・ホークはバーチカル、ロドニー・ミューレンはフラット、と同じスケートボードでもジャンルが全然違う人たちがひとつのチームになっていたというのは滅多にないこと。すごいと思います。

Bones Brigadeは、'70年代にスケート業界に革命を起こしたチーム「Z-BOYS」の中心メンバーだったステイシー・ペラルタがスケートボード製造業者のジョージ・パウエルと立ち上げたスケートボードカンパニー、Powell Peraltaのチームだ。Z-BOYSの崩壊を経験したステイシーは、未来永劫続くスケートボードチームを作りたいと、全米から将来性のある無名の若手選手を集める。中には参加当時、小学生の選手もいた。こうして結成されたBones Brigadeは80年代のスケートシーンを一世風靡し、スケートボード史上最高のチームとも言われている。

映画『ボーンズ・ブリゲード』を
観て

Yuki Takeuchi

Bones Brigadeが活躍していた当時、手に入った情報はVHSが全てだったから、それ以外のことを知らなかった。あんな風にツアーを回っていたことも知らなかったし、クリスチャン・ホソイと彼らがライバル関係にあったことも知らなかった。「あ、そういうことだったんだ!」って映画を観てようやく補完された感じです。僕らが木材を集めて、ショボイんですけど手作りのランプを作ったりしていたことも、彼らが作った流れの中にあったんだとわかって、改めて自分たちがその流れの中にいたことを知りました。

J-ONE

自分がスケボーを始める前のスケートヒストリーを勉強できた。それと、純粋に泣けました。特にランスのパート。ランスは十分に上手いんだけど、他のメンバーが凄過ぎる。彼もアグレッシブで全然負けていないのに、本人はずっと劣等感を抱えてひょうきん者のキャラクターを演じていたというエピソードに、ぐっときました。

小さな身体に驚異的な才能を秘めたスティーブ・キャバレロ、技巧派のトニー・ホーク、非凡な才能が揃うBones Brigadeの中で、参加当時のランス・マウンテンは異色の存在だった。大会の成績が選手の価値を決めていた当時、勝つことにこだわり限界に挑戦する他の選手と違い、ランスのスケートは自然体で楽しむスタイル。初めてリリースされたスケートボードビデオ「The Bones Brigade Video Show」('84) で見せたそのスタイルは、多くのスケートボードファンの共感を得てメンバーの屈指の人気者となる。ランスは超人的に上手くなくてもスケートを楽しめることをファンに教えてくれたのだ。

映画の中では、ランスだけでなくメンバーそれぞれのスケートボードへの愛情や当時の苦悩が語られる。そこには人生で大切な言葉がたくさん詰まっていて、本作の見所のひとつでもある。一生懸命に好きなことに取り組むことの大切さを、メンバー全員がそれぞれのスタイルで教えてくれているような気がするのだ。


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『ボーンズ・ブリゲード』
Bones Brigade: An Autobiography

2012年12月1日より、シネマライズにてロードショー

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