It Might Get Loud
Talk Session

Katsuyuki Watauchi × Rintaro Watanabe

人生にはギターが必要だ。

3世代を代表するスーパー・ロックギタリスト、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、U2のジ・エッジ、ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトが、自らの言葉で全てを初めて語り、一夜限りのジャム・セッションを収めたドキュメンタリー映画『ゲット・ラウド』。FUJI ROCK FESTIVAL'11でも特別上映され、大反響のあったこの作品の魅力と音楽について、ミュージシャン綿内克幸氏とライターわたなべりんたろう氏が語る。

3人の生き様を観て
「音楽に救われた人たち」なんだと思った

Rintaro Watanabe

まず、最初に自分がこの作品を見て素晴らしいと思ったのは、音楽にしろ映画にしろ、好きなモノ同士が集まると、知り合いじゃなくても心が通じ合えること。そして、世代は関係なく、すぐに深い話ができるというところかな。自分もそういう経験があって、海外の映画監督たちと映画が好きという共通項があることで、仕事を超えた関係を生み出せたんです。

Katsuyuki Watauchi

この作品は、観たら人に教えたくなる作品ですよね。一人で観るよりも、好きな人や友人たちと一緒に観た方がきっと面白いと思います。ジミー、エッジ、ジャックの組み合わせはとても絶妙で、凄く良いセンスですね。世代的に自分はエッジがギターヒーローですが、きっと一般的にはギターヒーローらしからぬギターヒーローじゃないのかな。それに、ジミーのプレイにブルースを感じるとしたら、エッジはブルースをあえて排除したギタリストだから、もしもエッジではなく別のギタリストが選ばれていたら、ジャックの人選も変わっただろうし、それで面白くなったかは分からないですね。ジミーの代わりにエリック・クラプトンじゃなかった点も僕は好きです(笑)。

Rintaro Watanabe

そこは三大ギタリストのジェフ・ベックが入らなかったこともですね(笑)。この作品を観て発見だったのは、ジャック・ホワイトが音楽に対してこんなに真摯な人だったのかと、わかったことです。彼のバンドを今まで聞いていて、音楽に対してもう少し斜に構えた人なのかと思っていたら、純粋に音楽が好きな人だったんですよ。ちゃんと彼は上の世代をリスペクトしてますし。それと、この3人の生き様を観て「音楽に救われた人たち」なんだと勝手に親近感を覚えました。

Katsuyuki Watauchi

この3人の共通点は、ギターのフレーズやリフを作るのがとても上手いことです。ジャックは若手の中では上手い方なんじゃないかな。リフのパターンなんて、古典が数多くある中で、年々新しいフレーズが出しにくくなっているけど、劇中でジャックが弾く、ザ・ホワイト・ストライプスの「セヴン・ネイション・アーミー」のリフは最近の楽曲の中で、古典として残るんじゃないかと思うぐらい良いと思ってます。


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『ゲット・ラウド』IT MIGHT GET LOUD

2011年9月9日(金)より、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他全国ロードショー

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