It Might Get LoudTalk Session

Katsuyuki Watauchi × Rintaro Watanabe

音楽の聴き方や価値観の変化と、
揺るぎない音

Katsuyuki Watauchi

エッジがこの年代のギターヒーローとして扱われているのはとても嬉しいです。80年代のギタリストでは、ほかにキュアーのロバート・スミスやエコー&ザ・バニーメンのウィル・サージェントなども好きですが、この頃のアルバムをCDで聞き直すと、録音された音の状態に悲しくなりますね。この頃は音に様々なエフェクトをかけることが流行としてあったので、今聞くとしょぼい音のアルバムが多いんですよ。70年代のほうが機材的にはまだ進化の途中だったはずなのに、聞こえる音はしっかりしています。そんな中で、80年代のU2のサウンドはしっかりとした太い音なんです。当時のプロデューサーだったスティーブ・リリーホワイトの手腕ですね。

Rintaro Watanabe

U2のプロデューサーでは、有名なところでブライアン・イーノもいますよね。エッジのギターは、80年代のギターの源であるマガジンのジョン・マッギーク(マクガフ)の影響を受けていると自身も言っていますが、ひいては、ルー・リードの影響もあるんじゃないかな。今も続いていると思いますが、当時のイギリスのバンドはヴェルヴェット・アウンダーグラウンドをとてもよく聴いていましたから。それと、U2のサウンドの特徴と言えばドラムのゲート・エコー(ゲート・リバーブ)だけど、ピーター・ガブリエルのアルバムをプロデュースしたスティーブ・リリーホワイトだからこそ出来たサウンドメイキングなんでしょうね。

Katsuyuki Watauchi

今と昔では音楽の嗜好や聴き方も変わってきますよね。曲のメッセージや詞のとらえ方は年齢に応じて様々変わってきますけど、当時はあんなに格好良く思っていたドラムの音が恥ずかしく感じるのは、時代や好みの変化によるものでしょうし。

『ゲット・ラウド』で
音楽映画に目覚めたらコレ!

Rintaro Watanabe

ロックバンドの悲哀を忠実に描いたフェイクドキュメンタリー『スパイナル・タップ』なんてどうでしょう。同様に『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』も30年間夢を諦めなかった男たちの夢と友情が描かれた良い作品です。U2の『U2 3D』もライブの臨場感を体感できる映像でした。あとは自分が大好きで映画及び音楽に目覚めた『ブルース・ブラザース』かな。

Katsuyuki Watauchi

ジャック・ホワイトの映像作品はわかりませんが、レッド・ツェッペリンだったら『狂熱のライヴ』や、U2なら『魂の叫び』など、彼らの映像作品が沢山出ているので、それを見ることをオススメします。ほかにはザ・バンドの解散ライブを描いた『ラスト・ワルツ』が良いと思います。


わたなべりんたろう お薦め音楽映画

スパイナル・タップ (ユニバーサル・セレクション2008年第6弾) 【初回生産限定】 [DVD]
監督:ロブ・ライナー
アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~ [DVD]
出演:アンヴィル
ブルース・ブラザース [DVD]
監督:ジョン・ランディス
出演:ジョン・ベルーシダン・エイクロイド

綿内克幸 お薦め音楽映画

レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
出演:レッド・ツェッペリン
U2 魂の叫び [DVD]
出演:U2、B.B.キング
ラスト・ワルツ (特別編) (ベストヒット・セレクション) [DVD]
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ザ・バンド