It Might Get LoudTalk Session

Katsuyuki Watauchi × Rintaro Watanabe

見所はIt Might Get Loud!
それがロックの本質

Rintaro Watanabe

ジミーがアルバムのレコーディングを行った場所を訪れる場面は、音楽ファンにはたまらないでしょうね。それに、エッジがバンドを結成するきっかけになった学校に行ったり、エッジが納屋で楽器を演奏したりと、個人個人の味がしっかりと映し出されて、本音で語っているところも、見応えがあります。冒頭にジャックがギターを作るシーンがありましたけど、お金が無くても、良い楽器が無くても音楽が出来るというのは、彼とロックの本質を表していると思いました。最後にTHE BANDの「THE WEIGHT」を3人でセッションしているのも、なんでこの曲?(笑)っていう感じではあったけど、良い味出してましたよ。あの3人が一緒にプレイするということに意味があるんですよね。ビール片手にワイワイと見たい作品です。もちろん彼らを知らなくても楽しめます。

Katsuyuki Watauchi

ジミーが作品の終わりの方で、ダン・エレクトロのギターで「胸いっぱいの愛を」を弾き始めるんですが、それを見るエッジとジャックの表情がただのギターキッズに戻っているところ。あれは印象的でしたね。彼らは、スタイルは違えど、ロックなんて格好良ければ良いじゃん、大きい音出そうぜっていうスピリッツを心の中に持っているミュージシャンたちなのだとあらためて思いました。まさに原題のIt Might Get Loud。見終わってから、この3人だけじゃなくあらゆる音楽のことについて話が出来る作品じゃないかな。

綿内克幸
65年生まれ。70年代の終わり、ツイスト、原田真二、Charがお茶の間に出てきたことに影響を受けて音楽に目覚める。84年、Pale Fountains、Aztec Camera等英国ネオアコに影響を受けたサウンドにより、元フリクションのツネマツマサトシ氏に発掘される。 88年、ムーンライダーズ鈴木慶一・博文氏主宰のメトロトロンより小池雄治と共にwebbとしてインディーズリリース。沖山優二氏、成田忍氏とのバンド活動後、94年、英国バンドのSqueeze、渋谷公会堂でのMr. Childrenのオープニング・アクトを経て、プロデューサーにフリッパーズ・ギターを手掛けたサロン・ミュージック、ゲストにザ・コレクターズを迎え、ビクターより「恋の5000マイル」「Clockwork Lovers」でソロデビュー。カーネーションのメンバーをサポートに迎えてツアー。以後、これまでに6枚のアルバム、8枚のシングルをリリース。

公式サイト:watauchi.main.jp
最新作「GOOD DAY SUNSET」は公式サイト、amazonitunesなどで発売中。

わたなべりんたろう
映画・音楽ライター、脚本。学生時代から自主制作映画をしていて、本編の助監督、AD、美術助手などを経験する。会社員生活を11年送った後、退職し、週刊朝日などで執筆活動をする傍ら、映画宣伝や制作にも携わる。また日本未公開作品であった『ホット・ファズ』『ハングオーバー』『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』を著名運動により劇場公開させた実績を持つ。ミュージックマガジン、WOOFIN'などにも寄稿し、音楽方面の知識にも長けている。

Twitter:@rintarowatanabe

Interview, Text, Photo:UTAMARU
取材協力:BULBS(学芸大学)


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