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第24回東京国際映画祭
特別招待上映 『アデル、ブルーは熱い色』
アブデラティフ・ケシシュ監督 舞台挨拶
10月25日 / 六本木・TOHOシネマズ

text & photo : yuki takeuchi

本年度カンヌ国際映画祭において、スティーブン・スピルバーグが絶賛し、審査員の満場一致で最高賞のパルムドールを受賞。カンヌではパルムドールを獲得した作品は、主演女優賞など重複して受賞ができないため、審査員長のスピルバーグは、アブデラティフ・ケシシュ監督だけでなく、主演女優アデル・エグザルコプロスとレア・セドゥ2人にもパルムドールを授与するというカンヌ史上初の異例の対応をしたことで話題にもなった。2013年10月25日(金)、その『アデル、ブルーは熱い色』が東京国際映画祭でジャパン・プレミア上映され、これまでも世界中で多くの賞を受賞してきた若き巨匠アブデラティフ・ケシシュ監督初来日が初来日。多く詰めかけたの観客の前で、舞台挨拶が行われた。

STORY
はじめてエマに出逢ったのは、アデルがまだ教師を目指していた高校生のときだった。ある日、デートに向かう途中、アデルは青い髪の女性とすれ違い、世界が一瞬止まったかのように心奪われる。彼女を夢にまで見て、思い悩むアデル。そして、その青い髪の女性、画家のエマとバーで再会したアデルは、大人っぽい独特の雰囲気と、彼女の感受性の強さと知性に魅了される。はじめて愛の歓びを知ったアデルは、一途にのめり込んでいく。数年後、念願かなって教師になったアデルは、自分をモデルに絵を描くエマと共に暮らし、幸せな日々を送っていた。しかし、エマの作品披露パーティの後、アデルは彼女の態度が急に以前と変わったことに気がつく…。

まずアブデラティフ・ケシシュ監督は、「みなさん、こんにちは。ケシシュです」と日本語で挨拶。主演のふたりをどのように選んだかということに対しては、エマ役のレア・セドゥは、彼女自身の存在感から醸し出されるものが自身のイメージしていたヒロインととても近いものがあったことが理由だと述べた。そして、アデル役のアデル・エグザルコプロスに関しては、生きる貪欲さのようなものが、とても感動的で「彼女の持っている勇気や輝きがスクリーンに現れると、スクリーンを占領してしまうような、そういうところがカメラを惹きつける、だからこそ彼女しかないと思った」と説明した。

本作の原作となった、フランスのジュリー・マロの人気コミック「Blue is the warmest color」に触れると、原作との出会いは、偶然に本屋で素敵なイラストだなと思い、手に取ったことがきっかけだったと言い、また、そのなかでふたりの女性(エマとアデル)の出会い方がとても美しかったと述べる。そして、「信号の横断歩道をわたるときに、ふたりがちらっと視線を交差させる、その運命的な出会いがアデルの人生の根本的に覆してしまう、そのような運命的な出会いが、まず最初にこれを映画にしたいと思った理由」と語った。

最後にアブデラティフ・ケシシュ監督は、本作のプロモーションで各国を旅して、いろいろな人と出会い、いろいろな思いが生まれて生きているが、とくに日本に来くことができた喜びを是非伝えたかったと言い、「私は、日本の映画に刺激されてきた。思春期の頃に映画とともに育ってきたが、そのなかでも多くの日本の映画とともに育ってきた。そのことを皆さんに伝えたかった」「もちろん、黒澤明監督、溝口健二監督、成瀬巳喜男監督と素晴らしい監督がいますけども、そのなかでも私自身をとりわけ惹きつけて、そして日本の文化に対するビジョン、日本に対する愛、日本の伝統に対する思い、そういうものを育ててくれた監督、それは小津安二郎監督なのです。このことを一言みなさんにお伝えしたかったことです。ずっと小津監督はオマージュとしてわたしの心にあります。」と述べると、客席から大きな拍手が起こった。

本作は、主人公アデルが、青い髪の画家エマと運命的に出逢い、一途な愛を貫くアデルの情熱的な人生を綴るとともに、ふたりの大胆なラブシーンは、絵画のように肉感的で美しいと大喝采浴びてきた。高校生から大人へと成長し、さまざまな人々と出会い、喜びと苦悩のなかを生きるアデルの表情とそれを優しくときに厳しくも捉える映像がとても素晴らしい。観客は彼女の表情と熱い感情とともに、アデルの人生のひとときを共に歩むことになるだろう。

『アデル、ブルーは熱い色』は、2014年春、新宿バルト9、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。


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『アデル、ブルーは熱い色』
(原題:LA VIE D’ ADELE CHAPITRES 1 ET 2)

2014年春、新宿バルト9、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー


監督・脚本:アブデラティフ・ケシシュ
原作:ジュリー・マロ「Blue is the warmest color」
出演:レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス、サリム・ケシュシュ、モナ・ワルラヴェン、ジェレミー・ラエルトほか

(2013/フランス/フランス語/179分)