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Interview

『ふがいない僕は空を見た』
タナダユキ監督インタビュー

interview & photo : yuki takeuchi

劇場作品としては、実に4年ぶりとなる『ふがいない僕は空を見た』の公開を前に、タナダユキ監督本人にインタビューをさせていただきました。原作や脚本に対する思い、作り手としての考えなどを伺うことができたので、ここに紹介します。

『ふがいない僕は空を見た』のあらすじ・レビューはこちら

—今作は、原作の小説がまずありきの作品ですが、これまでの監督の作品にもまして素晴らしい作品だなと、また、いままでの作品があったからこそのタナダユキ監督らしい作品だなと感動しました。

—もともと原作を読まれていたとのことですが、その時点での感想をお伺いできますか?

小説として、難しい言葉が並んでいたり、ひねくりまわしたような文章ではないのに、すごくはっとさせられるような表現があり、日本語の豊かさを感じることができました。いち読者として、「日本語ってすごいな」とあらためて思ったり、構成の巧みさであったり、ストーリーはこびのうまさなどを感じ、夢中になって読みました。

—読み終えたときに、これを映画にしたいな、という思いはありましたか?

できたらいいなとは思いましたけど、原作権をとるのは大変だろうなとは思いました。そしたら、本当にそのタイミングで声がかかりました。その時点で原作権を取れていたわけではなかったのですが、一緒に取るところからやりませんか、という話だったので、是非と。

—実際に映画化が決まったときに、先ほど監督がおっしゃったような原作のもつ「日本語の豊かさ」や「構成の巧みさ」「ストーリーはこびのうまさ」を、そのまま持ってくるのはなかなか難しいことだと思いますが、制作の過程で、脚本も含め、気をつけたことなどはございますか?

映画の場合は、主人公の卓巳が最終的にどうなっていくかというところで、なんらかの決着とまではいかないにしても、そのようなものを見出せれば、なんとかいけるのではと思いました。文字で全てを説明できないですし、俳優さんにいろいろなものを託さなければならない部分はあるので、一緒になって探っていくしかないなと思っていました。脚本に関しては、わたしは原作が好きすぎて自分では書けないなと思ったので、丸投げしましたね(笑)

—脚本は、前作『俺たちに明日はないッス』と同じ向井康介さんですね。

そうですね。前作こととはあまり関係なく、向井さんが書いたら面白くなるのではないかと思ってお願いしました。

—むしろ、任せてしまったほうがやりやすということもあったのでしょうか?

そうですね、気が楽になるというか。やっぱり、脚本家としてずっとやってこられている方というのは、私よりもはるかに、たくさんの原作ものを脚本におこしているので、そのノウハウみたいなものをわたしより持っているはずです。絶対に原作と同じようにならないところは出てくるので、どこを映画として引き立てていくかとか、セリフでどこを拾って、どこはト書きで俳優さんに託すかなど、今回そういうものはわたしがやるより、向井さんがやったほうがいいだろうなと思いました。


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© 2012「ふがいない僕は空を見た」製作委員会

『ふがいない僕は空を見た』

11月17日(土)テアトル新宿他全国ロードショー

(2012年 / 141分 / 日本 / color / 1:1.85 / DIGITAL / R-18)

監督:タナダユキ
原作:窪美澄『ふがいない僕は空を見た』(新潮社刊)
脚本:向井康介
音楽:かみむら周平
出演:永山絢斗、田畑智子、窪田正孝、小篠恵奈、田中美晴、三浦貴大、銀粉蝶、梶原阿貴、吉田羊、藤原よしこ、山中崇、山本浩司、原田美枝子

オフィシャル・サイト

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