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ベルリン国際映画祭銀熊賞・主演女優賞受賞
『グロリアの青春』

主演・パウリーナ・ガルシア初来日
トークイベント / 1月22日

text & photo : yuki takeuchi

チリの首都サンティアゴに住み、結婚、子育て、離婚を経験した58歳の女性グロリアが、力強く前向きに、第二の人生を生きる姿を描いた『グロリアの青春』。本作は2013年、第63回ベルリン国際映画祭で見事、銀熊賞・主演女優賞を受賞。劇場公開を前に、主演女優のパウリーナ・ガルシアさんが初来日。1月22日に都内で開催された試写トークイベントに出席し、作品やグロリアという女性について語った。

STORY
チリの首都サンティアゴ。キャリアウーマンとして忙しく働く58歳のグロリアは、息子も娘も独立し、夫との離婚後一人暮らし。中年の独身者たちが集まるダンスホールの常連となっていた彼女は、そこで年上の元海軍将校で実業家のロドルフォと出会い、一夜を共にする。グロリアにとってロドルフォは理想的なパートナーだったが、彼女は彼が今も元妻や娘たちの世話を焼いていることに我慢が出来なかった…。

ガルシアさんは、グロリアついて「さまざまな女性解放運動が起こった後のこの21世紀に現れた現代的な、新たな段階へ踏み出そうとしている女性」と言い、また「60代に差し掛かり、人生の残りの3分の1をどう生きるかというところで、彼女は新たな出会い、新たな愛を求めようとした」「60代と言うのは、そろそろ落ち着いていく、“人生の秋”と言われますが、そうではなくエネルギーがあって活き活きして、彼女は60代を“秋”ではなく、“春”にしたいと思っているわけです。この“春”というのは、みなさんが考える青春とはまた違って、“大人の女性としての新たな春”を掴もうとしている、そういった女性です」と説明した。

また、グロリアを演じるうえで、一人きりでいるシーンは、集中しなければいけないけれども、演技過剰になってもいけなく、ひとりで部屋にいるときのようにリラックスした状態で、なおかつ、内なる感情を表現しなければいけなかったと説明し、非常に苦労した点だと言う。また、服を脱ぐベッドシーンは、年齢的にもなかなか苦労するシーンで、相手のルドルフォとの間にちゃんと愛情が見えるかどうか、また、恥ずかしがっている演技を見せてはいないかと心配していたが「監督が非常に寛容で、わたしたちの質問や意見を取り入れてくれ、天才的にうまく私たち二人を導いてくれました」と述べた。

本作がベルリン映画祭で銀熊賞・主演女優賞をとったことによって、ガルシアさん自身の人生もすごく変わったと言う。仕事の量も質も上がるとともに、本作と一緒に世界中を旅をすることになったことは、ガルシアさんにとって初めての経験であり、家族と過ごす時間が減ったが、日本には息子と一緒に来ることができ、ときには実の夫と旅に出ることもあると説明した。

また、ガルシアさんは、彼女の出身地でもあり、本作の舞台ともなるチリの首都サンティアゴに関して、撮影当時の2012年は、映画の背景にもあるように、学生運動が盛んで、毎日毎日たくさんの抗議行動が行われていたと言う。それは「国自体が一歩を踏み出すことによって、未来を変えようとしていた」時期だと説明し「グロリアも同じように自分の内面でいろいろなことが起こり、60代に近づくときに、一番のターニングポイントにいたわけです」「ですから、未来に向かって何が起こっているかということが、両方スクリーンの中に表されていると思います」と加えた。

そして、最後には「この映画を観るときに、男女問わず、みなさんの中にあるグロリアを見つけていただきたいと思います。わたしも演技をしながら、自分の中のグロリアを見つけましたから」と日本の観客にメッセージを送った。

『グロリアの青春』は、3月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町にて全国順次公開

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© 2013 Fabula-Muchas Gracias

『グロリアの青春』
(原題:GLORIA)

2014年3月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町にて全国順次公開

出演:パウリーナ・ガルシア/セルヒオ・エルナンデス/マルシアル・タグレ/ディエゴ・フォンテシージャ
監督:セバスティアン・レリオ
脚本:セバスティアン・レリオ/ゴンサロ・マサ  

2013年/スペイン・チリ合作/スペイン語・英語/109分/シネスコ/カラー/DCP/5.1ch

後援:チリ大使館/セルバンテス文化センター東京

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