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Interview JoaquinPhoenix & Amy Adams

ホアキン・フェニックス × エイミーアダムス インタビュー
スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』

幼馴染みだった妻と離婚調停中のセオドアは、1年経った今も思いを断ち切れないでいた。しかし、ある日、人口知能型のOSに出会う。そして、OSがインストールされたPCから聞こえてきたのは“サマンサ”という女性の声。OSだとは思えないほど人間らしく、明るくてユーモアもあって、セクシーな彼女に次第に引かれていくセオドア。携帯電話にもインストールして、イヤホンを通して片時も離れずに聞こえてくるサマンサの声。サマンサが、セオドアの人生に興味を持ち、彼を励ますごとに、サマンサ自身も知識や人間の感情を学習していく。ふたりは、お互いに必要な存在とり、お互いの人生を輝かせるような日々が続いていくはずだった…。

衝撃的な映画監督デビュー作となった『マルコヴィッチの穴』(99)、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『アダプテーション』(02)、そして前作の『かいじゅうたちのいるところ』(09)から4年。常に独創的な視点で物語を描いてきたスパイク・ジョーンズが、今回取り上げたのは人間の言葉に反応して人間らしく会話を行うAI(人工知能)を搭載したOS。私たちの実生活でも身近になってきているその機能が、近い未来のロサンゼルスで、ある孤独の男の心を満たし、人生をも変えていく…。まだ、誰も見たことのないような現代的で、普遍的なラブストーリーは、世界中で大きな反響を呼び、本年度のアカデミー賞®脚本賞受賞&作品賞を含む5部門ノミネート。“サマンサ”の声として出演したスカーレット・ヨハンソンは、声だけでの受賞は史上初の快挙となるローマ国際映画祭最優秀女優賞も受賞。

第69回ヴェネチア映画祭優秀男優賞に輝いた『ザ・マスター』(13)での名演も記憶に新しい、主人公<セオドア>を演じたホアキン・フェニックス。『ザ・マスター』でホアキン・フェニックスと共演し4度目のアカデミー賞®助演女優賞、『アメリカン・ハッスル』(13)ではアカデミー賞®主演女優賞にノミネートされた、セオドアと同じマンションに住み、彼を心配する友人<エイミー>を演じたエイミー・アダムス。ふたりに、本作との出会い、スパイク・ジョーンズとの仕事、本作で取り上げられているテーマなどについて聞いた。

脚本がとてもユニークで、とてつもないアイデアが詰まっていて、ハートが素晴らしくて、身近な感情が描かれている

── この作品に引き付けられた理由について少し聞かせて下さい。

エイミー・アダムス:ホアキンに引かれて出演したの(笑)

ホアキン・フェニックス:エイミーに引かれて出演したんだ(笑)いや、二人とも同じ気持ちだと思うけど、僕はスパイクのミュージックビデオ以来彼のファンになった。だから彼と仕事ができるチャンスにワクワクしたんだ。それから、脚本がとてもユニークで、とてつもないアイデアが詰まっていて、ハートが素晴らしくて、身近な感情が描かれている。問題は「この映画をやらない理由なんてない」ということだ。出演しない理由を探す方が難しかった。

── サマンサに会う前、セオドアはどこで生活し、また彼女は彼の人生に何をもたらしたのですか?

her/世界でひとつの彼女Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

ホアキン・フェニックス:最初、彼は自ら強いて孤立した生活をしている。彼には自分が誰だかもうわからない。自分のアイデンティティの大半が結婚とともに終わっていた。人間関係は、彼にとってとても大切なものだった。それが消滅した時、彼はもう世界とつながっていないと感じてしまうんだ。自分の友人たちともつながりをもてない。孤立感を強めていく。サマンサは、世界のことや、感情や経験について学びたいという、彼女自身の願望や欲求をもっている。そして、世界に対する彼の情熱に再び火をつける。彼は、好奇心旺盛で、楽しくて、刺激的で、愛情に溢れた人間だった。彼女が彼自身を、セオドアがセオドアだった頃の自分を再び見つける手助けをする。映画の台詞は何だっけ?「セオドアが恋しいわ。ふさぎ込んだ哀れなセオドアじゃなくて、楽しいセオドア…」。サマンサはそういう彼を再発見するのを手伝うんだ。

── セオドアとエイミーの関係を聞かせて下さい。映画の冒頭で、彼らには共通点がありますか?

エイミー・アダムス:友情だわ。共通点は、私たち二人が岐路に立っていることね。感情的な岐路に立ち、物事を違う目で見ているのだと思うわ。

ホアキン・フェニックス:クールだよね。そのことを前にも言っていたよね。男と女の間に信じられる友情があるなんて、映画ではとても珍しいって。

エイミー・アダムス:その通りよ。皮肉も、遠慮もない、ただの愛。

── テクノロジーを超えて、この映画は人間には他者とのつながりが必要であることを描いています。映画でキャラクターたちはそれをどのように表現しますか?

エイミー・アダムス:スパイクの素晴らしいところは、何事も明らかで現実的な方法ではやらないことだわ。それは会話やディテールを通して表現される。素晴らしい台詞からわかるし、彼はキャラクターたちの居場所を書いている。この二つのキャラクターが素晴らしいのは、二人が常に探していることだわ。その探求を通して二人はつながるために必要な会話をしていくの。

── 現代においてテクノロジーが人々のつながりを変化させていると思いますか?

ホアキン・フェニックス:もちろんだよ。説明はできないと思うけど…。ゴメン!

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Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

『her/世界でひとつの彼女』
(原題:her)

6月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

監督・脚本・製作:スパイク・ジョーンズ
製作:ミーガン・エリソン、ヴィンセント・ランディ
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
美術:KKバレット、ジーン・サーデナ
編集:エリック・ザンブランネン
衣装:ケイシー・ストーム
音楽:アーケイド・ファイア、オーウェン・パレット、カレンO

2013年アメリカ/カラー/126分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/日本語字幕:石田泰子
配給:アスミック・エース

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