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『さよなら、人類』公開記念 板尾創路さん(芸人)×倉本美津留さん(放送作家)トークイベント!
「こんなにも何回も観れる映画はない。今どうこうというより、これからつき合っていく映画」

text & photo : yuki takeuchi

第71回ヴェネチア国際映画祭にて、金獅子賞(グランプリ)を受賞したロイ・アンダーソン監督最新作『さよなら、人類』。国内外の多くの著名人が賞賛の声を寄せるなか、本作の公開を記念して、8月9日(日)YEBISU GARDEN CINEMAにて、芸人の板尾創路さんと放送作家の倉本美津留さんによるトークイベントが行われた。

『さよなら、人類』公開記念 板尾創路さん(芸人)×倉本美津留さん(放送作家)トークイベント

面白グッズを売り歩くセールスマンコンビ、サムとヨナタンが、なにをやっても上手くいかない人たちの哀しくも可笑しな人生を目撃していく本作。板尾さんは、過去作も含め、ロイ・アンダーソン監督作品の独特の色使いを「そのままセットを借りてゾンビ映画が作れそうな色」と言い表しつつ、「すごく落ち着く好きな色」だと述べた。一方、本作をもう既に2回観ているという倉本さんは、「1回目で観たところとは違うところを観ることができる」「あたかも一枚の絵のようで、画面の中でいろいろなことが起こっている」と言い、繰り返し鑑賞することを薦めた。

構想に15年、撮影に4年もかけられた本作だが、ロイ・アンダーソン監督の独特な制作スタイルは、それだけにとどまらない。全てのシーンを屋内の自身のスタジオのみで撮影(屋外のシーンですら)。決まった脚本を持たずに撮影スタジオの壁に、自身で描いたスケッチやドローイングを貼り、それらを脚本の代わりにする。1日1シーンのみ撮影、しかも1シーンを何十テイクも撮り直す、などの説明がされると観客からも驚きの声。自身も映画監督している板尾さんは、そんな独特なロイ・アンダーソンの制作スタイルに「演出感がまったく感じられない」「(もし自分だったら)4年もあったら不安になって、多分5〜6本作ってしまいそう」と驚きながらも、本作を「こんなにも何回も観れる映画はないんじゃないか」「いまどうこうと言うより、これから付き合っていく映画という感じがする。だから、お金と時間をかけてつくっていただいて、ほんとお疲れさまでした(笑)」と称賛。また、登場人物の振るまいが自然であったり、なぜか一様に不機嫌そうな表情であることに対しては、自然になるまで何十回も演技をさせながらも、同時に嫌になってしまっている表情も狙っているのでは、「もう、おっさん嫌になって、、てきとうにやったやつが、OKになっているのかも(笑)」と倉本さんとともに、らしいツッコミも。

さよなら、人類

全て撮影スタジオ内での撮影にも関わらず、あたかも屋外のような壮大なシーンも生み出していることについて、「大きいスクリーンでこそ見応えのある映画。細かいところも作られている。一枚の動く絵を順番に見せられているよう」「意味を求めるというよりも、何か観て、何か感じて、自分の中の何かが誘発されて、何か面白いことを思いたくなる感じという意味ではすごく絵画的な、長いアートというような感じ」「ロイ・アンダーソンという絵描きの絵を美術館に観に行くような感じで観たら最高の映画」と倉本さん。板尾さんは「かなり面白い内容。結構、腹痛いくらいにクスクス笑ってしまうし、ブラックな笑いもあるし、ベタな笑いもある可笑しな話」「どっかんどっかん笑いがくるようなコメディではありませんけど、滲み出てくる笑いみたいなものがあって、僕はいいなと思うので、こういう笑いもたまにはいいのではないか」と言い、是非映画館で観てほしいと付け加えた。

最後に「ツッコミながら観たら、みんなおもろいですよ」と倉本さんが言い加えると、板尾さんは「なんでみんな顔ちょっと白いねんっていう」「この監督の“アホは白いんや”という観念がある感じがおもしろいですね。(一説によると日本の能の影響もあるらしいと説明が入ると)能もね、コントみたいなものですからね…。バカ殿のもうちょっと抑えたようなものですね(笑)」と返し、観客からも笑いが起きた。

8月8日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA 他、全国順次ロードショー!
ロイ・アンダーソン監督最新作『さよなら、人類』
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/jinrui/


©Roy Andersson Filmproduktion AB

『さよなら、人類』
(原題:A Pigeon Sat on a Branch Reflecting on Existence)

8月8日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA 他、全国順次ロードショー!

監督・脚本:ロイ・アンダーソン(『散歩する惑星』『愛おしき隣人』)
出演:ホルガー・アンダーソン、ニルス・ウェストブロム

2014年/スウェーデン=ノルウェー=フランス=ドイツ/カラー/100分

後援:スウェーデン大使館
提供:ビターズ・エンド、スタイルジャム、サードストリート
配給:ビターズ・エンド

オフィシャル・サイト

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