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『もらとりあむタマ子』公開記念トークイベント
「タマ子の魅力を語る!」
濱野智史 × 向井康介 × 山下敦弘(MC:森直人)
11月15日 / 新宿・Naked Loft

text & photo : yuki takeuchi

いろいろな人に広がっていって「こういう前田敦子あるんだ」というのを観たい

濱野さんはAKB48グループ内の前田敦子さんの存在感や大島優子さんとの比較などを会場を笑いで包みながら展開。また、ファンがなかなかAKBメンバーが出演している映画にすらあまり注目しない状況があり、それはアイドル映画が、表向きのイメージに左右されてしまっていたり、多忙のためになかなか作り込みに適さない状況のため、突貫工事のような印象を抱いてしまうことが多く、どうしても期待を抱きにくくさせているのではと分析。そのなかで本作は全然それらとは違っていて素晴しいと言う。それを受けて、山下監督は「『苦役列車』の時はまだグループ在籍中で、今回は卒業してからという、両方取れたのは面白かった」と言う。森さんは「アイドル映画ということで言うと、『もらとりあむタマ子』は最終的なアイドル映画。素性としては職人的なアイドル映画とは違う」と言い、なかなかファンを引きつけられなかった従来のアイドル映画のアップデートとしても考えられると語る。それに対し「僕とか向井とか映画好きで、そういう学校行って、映画好きな二人なんですけど、アイドル映画でもキラキラしたそのときの旬な感じを出すパターンと、日本映画には角川映画とかいわゆる相米さんとか、いわゆる“アイドルをいじめる映画”ってあるんですよ。そういうのばっかり観ていたんですよ」「映画を観続けて、高校、大学くらいから『お引越し』だの、それこそ薬師丸ひろ子さんの『セーラー服と機関銃』とか、牧瀬里穂さんの『東京上空いらっしゃいませ』とか…、これこそ究極のアイドルいじめ映画だと思っているんですけど(笑)、そいうのが好きで…。」と山下監督。「いわゆる表向きのキラキラした女の子のイメージじゃないものを映画でやるっていうそういう流れはあるかなと思っていて、全然いじめはないんですけど、アイドルじゃない部分を見せたいというのはどこかにあったかもしれないです」と続けた。

「自分で言うのもなんですけど、これが前田さんの代表作とは呼べないかもしれないし、もっと活躍してほしいので、これが代表作になっちゃいけないとも思うんです。前田敦子ってこういう魅力もあるんです、という新しいものを見せた感じもするんですけど、ここから他にいろいろな作品がありバリエーションがありつつ、取り扱い説明書じゃないですけど…。それこそ、黒沢清監督がすごくあっちゃんを注目しているというのを聞いたときに、あぁなるほどな、と思って。さっき、自我が薄いという話をしたけど、黒沢さんはそこが絶対好きなんですよ。そういう黒沢さんみたいな監督に、また作品に呼んでもらったり、いろいろな人に広がっていってほしいなと思っていて、また、こういう前田敦子あるんだ、というのを観たいんですよね。この作品は尺としては短いし、こじんまりとしてた映画ですけど、ここを機に飛躍してほしいです」と山下監督。「とくに観てほしいのは、冬編なんですよ。ただ大晦日でひたすら年越しの準備をしているだけでほとんどなにも起きないんですけど、そこが一番好きなんですよね。自分の中での勝手なノスタルジックというか、なぜか正月の時期になると筆ペンを持ち出すっていう…(笑)筆ペンが食卓にあって、また書いていると気持ちいいんですよ。チラシの裏にひたすら自分の名前を書いたりとか。これもシーンとして出てくるんですけど、ああいうのを観ているとすごく何か自分のなかの懐かしい感じがしちゃって、そういった自分の思い出も入っているというか。」と山下監督。つづけて向井さんは「そういったことが今どの程度伝わるのかとか、もっと積極的にこっちが描いていくとかやらなきゃいけないのかなと、結構考えますよね」。


© 2013『もらとりあむタマ子』製作委員会

『もらとりあむタマ子』

11/23(土・祝)より、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー!

MUSIC ON! TV + KING RECORDS Presents
出演:前田敦子、康すおん、伊東清矢、鈴木慶一、中村久美、富田靖子
監督:山下敦弘 脚本:向井康介
主題歌:星野 源 「季節」(SPEEDSTAR RECORDS)

配給:ビターズ・エンド
(2013/日本/78分/カラー/1:1.85/5.1ch)

オフィシャル・サイト

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