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Jacques TATI

ジャック・タチ映画祭

text : yuki takeuchi

ジャック・タチ映画祭 上映作品

ジャック・タチが生み出した劇場用長編映画5本とテレビ用に製作された『パラード』。本邦劇場初公開のもの含めた彼が関わった短編や実娘ソフィー・タチシェフの作品などがスクリーンに!!

未公開シーン17分を含む完全版

のんき大将 脱線の巻【完全版】

1949年/白黒/87分 出演:ジャック・タチ、ギィ・ドゥコンブル、ポール・フランクール、サンタ・レッリほか ヴェネチア映画祭最優秀脚本賞受賞

のんき大将 脱線の巻フランスの田舎町に恒例のお祭りがやってきた。郵便配達人のフランソワは、そこで上映されていた映画で、アメリカの近代化された郵便配達を目撃する。負けてられないと奮起して、自転車に跨がり、いつも以上のスピードで郵便を配りはじめるが、その勢いはなんだがあらぬ方向へむかっていく…。タチがその名を世界に知らしめた本格スラップスティック喜劇。

併映(+短編2作品)

郵便配達の学校郵便配達の学校(短篇)
1946年/白黒/16分 出演:ジャック・タチ
「のんき大将」のオリジナルとなった郵便配達人のドタバタ喜劇。ラストもちょっと違いますので見比べて…。カフェのシーンにはタチ夫人も出演。

フォルツァ・バスティア’78/祝祭の島フォルツァ・バスティア’78/祝祭の島(短篇)※日本劇場初公開
1978年-2000年/カラー/28分 監督:ソフィー・タチシェフ、ジャック・タチ
サッカーのUEFAカップ優勝をかけて対決するチームのサポーターを撮影したフィルムを、タチの死後、実娘のソフィーが実家の物置でラッシュを発見。00年に再編集して完成させた。

ぼくの伯父さんの休暇

1953年/白黒/89分 ※78年版を基に2009年に修復 出演:ジャック・タチ、ナタリー・パスコー、ルイ・ペローほか

ぼくの伯父さんの休暇列車や車で海辺へ夏のバカンスに集まる人々。そこにポンコツ車に乗ってやって来た“ユロ氏”。滞在先の海辺のホテルで、浜辺で、ユロ氏の行く先々でおかしな騒動が起きながら過ごす束の間の休暇。独特な歩き方と寡黙なキャラで世界から愛されるユロ氏が誕生した記念すべき作品。ユロ氏が引き起こすお騒がせで美しいフィナーレと夏の終わりのちょっとした寂寥感がなんとも言えない味わいを残し、またユロ氏に会いたくなります。

併映(+短編2作品)

左側に気をつけろ左側に気をつけろ(短篇)
1936年/白黒/14分 監督:ルネ・クレマン/脚本・出演:ジャック・タチ
ボクシングの練習を見ていた農夫(タチ)がリングの上に駆り出されて、おかしなドタバタ特訓が始まる。終盤には郵便配達人も登場。ゴダールが『右側に気をつけろ』(86)でオマージュを捧げている

ぼくの伯父さんの授業ぼくの伯父さんの授業(短篇)
1967年/カラー/29分 監督:ニコラス・リボウスキー/出演:ジャック・タチほか
『プレイタイム』の撮影中断の合間に、助監督がタチの脚本・主演で製作した短編。タチ扮する教師がパントマイムの様々な動きについて生徒たちに教える。タチ作品を観るうえでの参考書のような一編。

ぼくの伯父さん

1958年/カラー/116分 出演:ジャック・タチ、ジャン=ピエール・ゾラ、アドリエンヌ・セルヴァンティーほか アカデミー賞® 最優秀外国語映画賞受賞、カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞

ぼくの伯父さん前作で大人気を得たユロ氏が訪れたのは、姉が結婚し住んでいるアルペル氏の家。ハイテクで、モダンな近代的な住宅でもユロ氏は、おかしなドタバタを繰り広げるげ大人たちは眉を顰めるが、姉の息子はユロ氏を慕う。セットとして建造されたと下町の一風変わったユロ氏が住む住宅、下町と近代化された街とを自由に行き来する子供たちや犬もとても印象的。色彩豊かなカラーで撮影された。急速な近代化への皮肉と失われていくものへの郷愁を感じさせる。

併映(+短編1作品)

家族の味見家族の味見(短篇)※日本劇場初公開
1976年/カラー/14分 監督:ソフィー・タチシェフ
小さい村のパティスリーは、村の男たちに大人気。何故なら、ここのレシピはちょっと特別で…。タチの実娘ソフィーの監督作。愛する父の日常における優れた観察眼と、市井の人々へ向ける愛情を受け継いだ可愛らしい小品。

プレイタイム

1967年/カラー/124分/ビスタサイズ 出演:ジャック・タチ、バルバラ・デネック、ジョルジュ・モンタンほか

プレイタイムフランス映画史に残る高額な制作費、パリ郊外に巨大なセットを建造、資金難で6回も撮影中断といわくつきの超大作。これまで通りユロ氏が登場し近代的な都市を訪れるが、あくまで街を行き交う大衆のひとりとして描かれ、これまでユロ氏が見せてきた喜劇的要素はその他の多くの登場人物たちに分散し託すという野心的な手法を用いられた。しかし興行的には大惨敗。近年に再評価されタチの美学が結集した傑作との呼び声も高いが当時はタチを窮地に追い込んだ。前半の都市の喧噪、後半の狂騒的な夜、そしてラストの大団円まで映像や音楽、登場人物、画面のいたるところまでタチの演出がいきわたり繰り返し観ても新しい発見がある。タチの集大成的作品。

コマ落ちしたフィルム4分を復活させた完全版

トラフィック

1971年/カラー/97分/出演:ジャック・タチ、マリア・キンバリー、マルセル・フラヴァルほか

トラフィックパリの自動車会社で設計技師として働くユロ氏が登場。国際モーターショーに、自慢の多機能搭載のキャンピングカーを出展するべく、アメリカ人女性のマリアらと共にハイウェイを一路、アムステルダムを目指す。しかしガス欠、パンク、交通事故など、やっぱりドタバタ続きで一向に目的地に辿り着かない。急速な都市化、自動車産業などのタチらしいメッセージも込められたユロ氏が登場する最後のフィルム作品。タチ作品で唯一、雨が降りユロ氏がようやく報われたような美しいエンディングは胸が熱くなります。

併映(+短編1作品)

陽気な日曜日陽気な日曜日(短篇)※日本劇場初公開
1935年/白黒/22分 監督:ジャック・ベール/脚本・出演:ジャック・タチ、道化師ロム
パリ近郊を訪れる観光客を相手に一儲けを企む、文無しの2人組は、ツアー客を言葉巧みに誘い、自分達のバスに乗せることに成功。しかし、お客は代金を旅行会社に前払済み。お金もなく車の故障にも襲われた一行は徒歩で帰ることに…。タチが出演した2作目の短篇。

日本劇場初公開

パラード

1974年/カラー/90分/日本語字幕:関美冬/出演:ジャック・タチ、カール・コスメイヤー&雌ラバ、ウィリアムズ一家ほか

パラードサーカスの公演に集まった多くの観客を前に、タチ演じるロワイヤル氏を含め数多くの曲芸師らによってたくさんのパフォーマンスが繰り広げられる。実際のサーカス公演を撮影したかのような作品で、ビデオカメラ4台。撮影期間3日でスウェーデンのTV局により製作されたタチ最後の作品。タチの原点でもあるミュージックホールで披露されていた“スポーツの印象”などのパントマイムを観ることができる。

併映(+短編1作品)

乱暴者を求む乱暴者を求(短篇)※日本劇場初公開
1934年/白黒/25分 監督:シャルル・バロワ/脚本・台詞:ジャック・タチ/出演:ジャック・タチ、エレーヌ・プペ、道化師ロム、ジャン・クレルヴァルほか
俳優を夢見る男が、雇ってくれるはずだった劇団に約束を破られてしまう。そんな中持ち上がった儲け話に、男は内容もよく理解しないまま飛びついて契約する。タチの記念すべき初出演作品。

上映スケジュールはこちら(ジャック・タチ映画祭オフィシャルサイト)

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© Les Films de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

『ジャック・タチ映画祭』

4月12日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

配給:日本コロムビア/配給・宣伝協力:Playtime/提供:メダリオンメディア
後援:フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本/協力:ユニフランス・フィルムズ

オフィシャル・サイト

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