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Interview Adrien Brody

エイドリアン・ブロディ インタビュー
ポール・ハギス監督『サード・パーソン』

パリ、ローマ、ニューヨーク。3つの都市で、3組の男女が愛を求め、そして傷つきながら彷徨う…。パリ─ 妻と別居し、高級ホテルにこもりながら作品を執筆に苦闘している小説家と新進作家の若き愛人。ローマ─ イタリアを嫌うアメリカ人ビジネスマンは、いかがわしい取り引きの後、街のバーで娘を奪われ苦悩するロマ人の美しい女に出会う。ニューヨーク─ 元夫と親権を争い息子に会うことが出来ない元女優の女が、精神的にも経済的にも追いつめられたなか、かつて頻繁に宿泊していたホテルの客室係として働きはじめる。3つの物語の糸がゆるやかにつながり合い、次第にそれらがひとつに重なり合っていくとき、新たな真実が浮かび上がる。

脚本を担当した『ミリオンダラー・ベイビー』(04/クリント・イーストウッド監督)と自身が監督を務めた『クラッシュ』(04)が2年連続でアカデミー賞に輝いたポール・ハギス監督が、2年半にわたり、50回以上も草稿を書いて完成させた本作。人々が愛と痛みに出会い、どう向かい合っていくかを描いた3つのラブストーリーでありながら、なおかつ巧妙に複数の糸が紡がれ、ひとつの真実が浮かび上がっていく群像劇ミステリーでもある。

実力派の俳優が結集した本作のなかで、ローマで出会ったロマ人の女性によって人生を大きく変えていくことになるアメリカ人ビジネスマン、スコットを演じたエイドリアン・ブロディ。『戦場のピアニスト』(02)でアカデミー賞をはじめ多くの賞に輝き、『ミッドナイト・イン・パリ』(11)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)など数多くの作品への出演が相次ぐ彼が、本作について、そして自身について語った。

様々なドラマや悲しみといった複雑さが交わる、とても美しい作品だよ

── 今作で演じられたスコット・ウォレスという役について教えていただけますか

サード・パーソンスコット・ウォレスという…なんて言ったらいいかな、人生のジェットコースターに乗り“最悪”な方向に進んでしまうが、状況が良くなることを待つ男性を演じています。彼はあまり自分をさらけ出さないが、人生で過去にいくつかの間違いを犯し、その中でも克服することが非常に難しい永久的な間違いに関しては、結果的に格闘することになるのだが、そのいくつかの間違いに彼自身を許すことが出来ずにいる。そんな中、出張中とても興味深く美しい女性とローマで出会うのだが、彼女が表現する刺激的な何かを何故か必要としていて、彼女の存在は、自分だけでは逃れることの出来ない現実から引き離してくれるんだ。今君と共有できる情報はこれだけだな。

── 初めて脚本を読んだ時の印象は

とても美しい脚本だよ。美しい小説で、明らかに俳優にとっては素晴らしい題材だ。役柄と物語での相互作用があり、役の様々な側面や、物語のバランスやユーモア、様々なドラマや悲しみといった複雑さが交わる、とても美しい作品だよ。こういった作品を僕は常に探しているし、とても惹きつけられるね。人生において、どんな悲劇の中にいようと、ユーモアや笑いを受け入れる場所はあるでしょ。バカバカしさとかね。それを受け入れる場所があり、映画で捉えられている。全てが過剰にシンプルじゃなくていいんだ。

── ポール・ハギス監督との仕事はいかがでしたか

サード・パーソン僕は長い間ポール・ハギスと一緒に仕事がしたかったんだ。彼は知性的で、僕が監督に求めるアーティスティックな感受性を持つ人物だ。経験もあるし、彼は実に知的で頭がよく、才能があるよ。このような映画をうまく見せるには様々な調整をしなければならないからね。楽しみだよ。この映画で働く少し前に、ポールと個人的な付き合いがあったのも良かったね。監督業をとてもうまくこなす人物だし、この映画の一部となれて光栄に思うよ。

── これまでに非常にたくさんの映画に出演されてきましたね

常に珍しい素材や語りかけられる作品を見つけるようにしているよ。俳優としてだけでなく人間として成長のプロセスを共有でき、この作品の中でもある程度、感情のプロセスや、何かを克服する必要性を妨げるもの、前進することがあり、世の中には多くの人の人生を突き落とすような悲劇があるが、将来の可能性を破壊するものに打ち勝たなければない。この映画の登場人物には沢山の欠点や弱点があり、皆弱点だらけなんだ。映画は完璧な人間を創りだすのではなく、人間の欠点や弱点を賛美するべきだと思うよ。人間は不完全だからこそ、それをよく観察し、人間がその不完全さを乗り越える能力に面白みがあるんだ。過度に飾られるよりもその方が心を揺さぶられるよ。

── 今作での役作りはどのように行いましたか

サード・パーソン僕の準備方法は、役柄で何が要求されるか、自分の中で何を抑制するかにより様々だけど、技術的なものがあれば、演じる役の能力や技術そのものに集中するのではなく、あたかも第二の天性でその瞬間に存在することが重要なんだ。僕は自分の役柄が何を経験してきたかよく理解していると感じるよ、本人ほどのレベルでは無いかもしれないけど。隠されたり鎮圧される感情、交互に作用する全ての感情が人間らしいし、人生を生きてきたなら理解できる感情だ。そういった点で沢山のリサーチは必要なかった。役の持つ真実と感情のスペース、習慣を見つけその範囲の中でスクリーン上で表現することがカギなんだ。多くのものを失った男の役というのは過去にも沢山表現してきたし、正確に表現する為にリサーチも沢山した。沢山のソウルサーチだね。そしてその情報は消えることはない。俳優として人生で行ってきた仕事の準備というのは、将来の役に何らかの形で役に立つんだ。

── ローマで出会うロマ人女性モニカを演じたモラン・アティアスについては

モランは素晴らしいよ、とても献身的な若い女性だ。役に没頭している。彼女は沢山のリサーチをしただろうし、彼女との撮影はとてもリアルだ。彼女の役が持つジプシー文化をうまく表現している。

オフィシャル・インタビューより

6月20日(金) TOHOシネマズ 日本橋ほか全国ロードショー
ポール・ハギス監督『サード・パーソン』
公式サイト:http://third-person.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/thirdperson.movie
公式Twitter:https://www.twitter.com/third_person_jp


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『サード・パーソン』
(原題:Third Person)

6月20日(金) TOHOシネマズ 日本橋ほか全国ロードショー

監督・脚本:ポール・ハギス
出演:リーアム・ニーソン、ミラ・クニス、エイドリアン・ブロディ、オリヴィア・ワイルド、ジェームズ・フランコ、モラン・アティアス

2013年/カラー/シネスコ/135分/5.1chデジタル/映倫:G
提供:2014「サード・パーソン」フィルムパートナーズ
配給:プレシディオ/東京テアトル

オフィシャル・サイト

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