[富江 re-birth]

監督:清水崇/脚本:藤岡美暢/原作:伊藤潤二(朝日ソノラマ刊)/キャスト:酒井美紀、妻夫木聡、黄川田将也、中島ゆたか、遠藤久美子、他/2001年日本/101分/配給:大映株式会社/2001年3月24日新宿ジョイシネマにて公開

美大生の英雄は、富江という女をモデルに肖像画を描いていた。しかし富江に絵をグチャグチャにされ、英雄は逆上して殺してしまう。富江の死体を友人の巧と俊一が、動揺する英雄と共に森に埋めた。事件は一段落ついたと思われたが、翌日夜行われた合コンに死んだはずの富江があらわれたのだ。その夜英雄はトイレで血まみれになって死んだ。それ以降事件に関わった彼らの間に奇妙なことが富江の出現と共に起こっていくことになる・・・。

ホラー漫画の実写版、本作でシリーズ3作目。今回の富江は死んでも再生し、しかも寄生して増殖していくのです。それを聞くだけでは、身の毛がよだつ怖いイメージが先行するかもしれません。しかし映画の印象を一言で言うと「おもろこわい」につきます。怖がっていいのか笑っていいのか、その微妙なさじ加減がホラーが苦手な人にも受け入れられる内容になっています。

また本作では多くの期待若手俳優が出演しているが、その脇を固めるベテラン俳優にも目が離せません。なかでも俊一の母、朋子役の中島ゆたかのお昼のメロドラマ風ママぶりから狂気じみた人間へ変貌していく演技は迫力満点。もちろん富江役の酒井美紀のキレっぷりも負けてはいません。朋子と富江の対決は、嫁姑戦争ともとれる本作品一番の見所なので要チェック。ホラーといえば夏、という定番にあてはまらない「おもろこわい」ホラーはまさに今の季節にピッタリなのでは?

Text : shinji

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