[天使のくれた時間]

監督:ブレッド・ラトナー/脚本:デヴィット・ダイアモンド、デヴィット・ワイスマン/撮影:ダンテ・スピノッティ/出演:ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、ドン・チードル、ジェレミー・ピヴェン、マッケーンジー・ヴェガ 他/2000年アメリカ/125分/配給:ギャガ・ヒューマックス共同配給
:『天使のくれた時間』オフィシャルサイト

「たとえ100年離れていても僕は変わらない」と恋人のケイトに誓い、ロンドンに旅立つジャック。彼の描いた成功とは、ウォール街で成功を収めること。そのときがふたりの人生の分かれとなった。
その後、ウォール街で成功を収め、住まいは最高級マンション、車はフェラーリと優雅な独身生活に満足していた。あるクリスマスイブのよる、黒人青年キャッシュと遭遇。そして彼とある取り引きが成立した。その時彼は謎の言葉を残す。それは「これから起こることは、あんたが招いたことだ」と…。
その翌朝、彼を「パパ」と呼ぶ見知らぬ少女の喚声で目を覚ます。そして横にはなんと13年前に別れたはずのケイトが!!
“なぜ?”状況がわからず困惑するジャック。そこにフェラーリに乗ったキャッシュが現れる。「自分で答えを出すんだ」彼はそう言い残し立ち去ってしまうのだった。
果たして何が現実なのか? そしてケイトと子供たちとの生活はいつまで続くのだろうか?
別の幸せを見出したジャックの前に、また再びキャッシュが現れる日が…。


監督はパブリック・エネミー、マライア・キャリー他、数々の有名アーティストのビデオを手掛け、20代でハリウッド界入りを果たしたブレッド・ラトナー。
「ジャック・キャンベルを演じるために生まれてきたようなものだよ」と彼が絶賛するのは、主演のニコラス・ケイジ。どんな現実離れしたシチュエーションでも自然に演じてしまう彼の才能・存在感が伝わってくる。そしてその相手ケイト役には、『ディープ・インパクト』等で注目を集めたティア・レオーニ。コメディと感動的な2つの側面を織り交ぜ、微妙なタイミングをうまく計りながら、ジャックとケイトのふたりの微妙な関係をうまく演じている。
この映画では2つの全く異なる生き方を提案しながらも、どちらがより理想的な生き方なのか判断は下していない。むしろそれぞれの生き方を掘り下げ、ちょっと思い切って別の道を選択することにより何もかもが変わってしまう…。という双方の生き方を疑似体験してもらうことが狙いのようだ。
あなたは今までどちらの道を選んできたのだろうか。そして、それでよかったのか考えさせられることだろう。

Text : naruhide yoshida

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