[ハロー、アゲイン]

監督・脚本:サイモン・ボーフォイ/監督:ビリー・エルトリンガム/キャスト:スティーブン・ディレーン、ケリー・フォックス、ケリー・アーノルド、カヴァータ・スンガ他/1999年 イギリス/94分/配給:東北新社
2001年5月上旬、シネマ・カリテにて公開予定

イングランドのヨークシャー。キャサリン(K・アーノルド)は牧場を営む両親(S・ディレーン、K・フォックス)と白血病の弟マシューと暮らしていた。彼女は弟のことを取り立てて特別扱いせず、喧嘩しながらも仲良く暮らしていた。ある日、学校に転校生がやってきた。その転校生・インド系の少女ウマ(K・スンガ)にキャサリンは怪我を負わせてしまうが、それをきっかけにして二人は仲良しとなる。そんな時、羊の死体を捜しに荒地へと探検しに行ったキャサリとウマは、不思議な“光”を見る。ウマは「良くないことの前触れ」と恐れるが、キャサリンは「マシューの病気が回復する予兆」と強く信じ、マシュー自身も自分の治癒を信じ始める。“光“ははたして救世主となり得るのか?

子供らしい無邪気な言動を織り交ぜながら、家族の愛とぬくもり、絶望を乗り越えてゆく「信じる心」の尊さを生き生きと描き出す「愛と再生」の物語。監督は、『フル・モンティ』でアカデミー賞(脚本賞)にノミネートされたイギリスの若手脚本家サイモン・ボーフォイと、彼の映画制作の良きパートナーであるビリー・エルトリンガム。手持ちカメラを駆使して、ヨークシャーの自然を時に荒々しく、時にファンタジックに魅せるメアリー・ファーブラザーが撮影監督を担当しているなど、イギリス映画の今後を担う新鋭が集まった。キャストは、『ウェルカム・トゥ・サラエボ』のスティーブン・ディレーン、同じくディレーンと夫婦役を演じ、『クロコダイルの涙』にも出演しているケリー・フォックス、そして本作では映画初出演で演技自体が初体験だったにもかかわらず、99年度ブリティッシュ・インディペンデント・アワードの最優秀新人賞にノミネートされたケリー・アーノルド。本作では、子供たちにはセリフを覚えさせず、撮影前にその日のシーンについて説明し、自分の役の感情や立場を理解してもらうという即興的演出が用いられたが、それが効を奏して子役の瑞々しいセリフ、説得力のある演技を生んでいる。

Text : Yoshi Mizu

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