[マンボ!マンボ!マンボ!]”MAD ABOUT MAMBO”

監督/脚本:ジョン・フォルト/制作:デビットP・ケリー/制作総指揮:ガブリエル・バーン、マーティン・ブルースクレイトン/撮影監督:アシュレイ・ロウB.S.C/出演:ケリー・ラッセル(ルーシー)、ウィリアム・アッシュ(ダニー)、ブライアン・コックス(シドニー)、テオ・フレイザー・スティール(オリバー) /提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ/宣伝:ギャガGシネマ/2000年/イギリス/92分/ 7月 シャンテシネにて公開予定

恵まれないサッカー少年を救ったのはマンボだった?!
ルックス冴えない。IQイマイチ。家は貧乏(しかも大家族)。そんな三重苦を背負った、恵まれない少年ダニーは18歳。素直で、前向きな所だけがとりえの彼は、将来の夢をサッカーに託しているが、コーチからは補欠宣言される始末。そんなとき、彼は憧れているサッカー選手のあるコメントを耳にする。
「サッカーに必要なものはリズムだ!」(by カルロス・リガ -ベルファスト・ユナイティッド-)この言葉にひらめいたダニーは、一路マンボ教室へ。そこでダニーは、完全無欠のお嬢様ルーシーに一目惚れ!彼女からは冷たくあしらわれながらも、ひょんなことから二人はパートナーとして、ダンス大会を目指すことになるのだが・・・。 この後、ダニーの快進撃が始まろうとは、一体誰が予想できたであろうか?いや、きっと神様だって分からなかったに違いない。

誰もが経験する青春時代のさまざまな想い。異性に対する興味、貧富の差、自分を取り巻く社会と夢。そんな想いが懐かしさとともに蘇ってくる。本編のストーリーはあまり裕福ではない(生活が)男の子が、お金持ちのお嬢様に恋をして、ライバルを倒しハッピーエンドになる物語がコミカルに描かれているが、現在の北アイルランドの社会情勢が垣間見られて、日本にいながらにして旅をしている気分になった。
北アイルランドの民族の大半はケルト人である為、ゲール語の授業があり、古典で手品やファッション、ダンスのスピーチを各々もちまわりでする。なんて授業風景があったり、銃で武装している英国軍が通 学途中にいたり、北アイルランドで生活したら、こんな日常なんだなあと思わせる背景がそこにはあった。 また、宗教の問題も生活に根いていて、大半のお金持ちはプロテスタントで、労働者階級はカトリックに属している。学校も違えば、居住区域も違う。どんな街にもお金持ちと貧乏人がいる日本ではあまりあり得ないし、ましてや宗教によって人を差別 することが日常的にあるなんて・・・。 この映画での一押しはダニーの友達のファッションデザイナー志望の太っちょな男の子と、手品師志望のナイーブそうな男の子。いい味だしてます。

Text : Fumiko Asada

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