[シャム猫-ファーストミッション-] THE SIAMESE

2001年10月6日銀座シネパトスにて公開

製作:松下順一、豊島洋/プロデューサー:吉田拓也/原作・総監修:モンキー・パンチ「シャム猫」(双葉社・パワアコミックス刊)/脚本:大野木寛/メインキャラクターデザイン:荒木伸吾、姫野美智/作画監督:をがわいちろを/監督・絵コンテ:細田雅弘/キャスト:林原めぐみ、小山茉美、池田秀一(2001年/日本/90分/共同配給:アートポート、アースライズ)
(C) モンキー・パンチ/アートポート/マクセル・イーキューブ


20XX年、東京はテロリストの格好の標的となっていた。頻発するテロ事件の対策として、政府は極秘に内閣調査室直属のテロリスト対策チーム「シャム猫」を組織。メンバーはジュンとナオミ。FM局の人気DJという表の顔を持つ2人だ。ある日、海堂俊介をリーダーとする国際テロリスト集団「アジアの虎」が東京湾岸地区を占拠。首相と住民を人質に捕り、日本政府に国家予算並みの身代金と同志の解放を要求してきた。直ちに鎮圧作戦が開始され、シャム猫は国防軍テロ殲滅部隊「マイティードッグ」と共同作戦を展開することになる。しかし、このテロ事件の真の目的は湾岸地区で開発中の次世代兵器「アルテミス」の奪取であった。果たしてシャム猫は海堂の野望を阻止することができるのか!?

「ルパン三世」でお馴染みのモンキー・パンチ原作のアニメーション映画。原作の「シャム猫」は、「ルパン三世」よりも先に書かれたもので、あの峰不二子の原型となったと聞けば、興味を覚えずにはいられない。さてそのシャム猫の2人、かっこよくて美しい戦闘のプロフェッショナル(その戦闘能力は国防軍一個師団に匹敵するとか…なんだかすごい…)として描かれているのだが、正直なところ、それ以外に特に個性がないというか、キャラクターが明確でないように思えた。ジュンとナオミの2人の性格の違いも殆ど印象に無く、声の違いで雰囲気は違うものの、どちらがどちらの役をやっても同じように思えた。“峰不二子の原型”と言っているようにあくまでも彼女らは“原型”なのである。

ストーリー設定は面白く、楽しんで観ることができた。豪華な声優陣も魅力。「新世紀エヴァンゲリオン」の林原めぐみ、「Dr.スランプ アラレちゃん」の小山茉美、「機動戦士ガンダム」の池田秀一など、そうそうたるメンバーが揃っている。キャラクター設定の点では少し物足りない様に感じられたものの、今回は「ファーストミッション」とタイトルにあるので、もしシリーズ化されるのであれば、次回作に期待したい。

Text : nakamura [UNZIP]

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