[コラテラル・ダメージ] COLLATERAL DAMAGE
アーノルド・シュワルツェネッガー来日記者会見

2002年4月20日より丸の内ルーブル系他全国松竹・東急系にて公開

監督:アンドリュー・デイビス
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、クリフ・カーティス、ジョン・レグイザモ、イライアス・コーティアス、フランチェスカ・ネリー、ジョン・タトゥーロ他
(2001年/アメリカ/1時間48分/配給:ワーナー・ブラザース映画)

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(c)2001 Warner Bros.All Rights Reserved.
2002年3月7日(木)午前11時より、東京・渋谷にあるセルリアンタワー東急ホテル・B2ボールルームにおいて、『コラテラル・ダメージ』主演のアーノルド・シュワルツェネッガーの来日記者会見が行われた。シュワちゃんにとって出演30作目という記念すべき映画であり、昨年10月の公開を目前にした9月11日の米国同時多発テロ事件で公開延期となっていたものの、今年2月の全米公開時には主演作としては5年ぶりに初登場第1位を獲得した。その『コラテラル・ダメージ』をひっさげての来日である。会見では、政界入りの噂も随分前からあり、映画の題材自体がある意味タイムリーであったことからか、やはり「9.11」テロ事件への見解や、その後のアメリカの対応についての意見を求めたそうな質問が相次いだのだった。でもそれらをしっかりそつなくさばくシュワちゃんに、ちょっと意外なクレバーさを感じてしまった。親日家として知られる彼なんだけど(ま、少しリップサービスめいたとこもあったけど)、政治的に微妙な際どい部分に関しては、なかなか公正な立場を貫いて発言。政治家が用意した原稿を読むような胡散臭さもなく、ハリウッド映画人としての立場をまず第一に、そしてもちろんアメリカ人という立場も最低限クリアにしながら、執拗な同趣向の質問に折れるような感じで、映画の政治的なメッセージ(テロはどちらかだけが悪いわけでもなく皆の問題であり、コラテラル・ダメージを考慮して慎重に行動すべき、みたいな)を最終的に押し出すってのが、なるほど「賢い」と思っちゃったのだった。会見終了後には、彼が大使を務める、知的障害を持つアスリートたちを支援する“スペシャル・オリンピックス”についてもしっかり宣伝。このソツのない好感触なナイスガイには、参りましたって言うしかないかも。そんなこんなの会見模様を、なるべくリアルに再現してみた。じっくり読んでみて欲しい。
司会:本日は朝早くからありがとうございます。……(諸注意・連絡事項があって)……それではご登場していただきましょう。ミスタ・アーノルド・シュワルツェネッガー!(会場拍手)。
アーノルド・シュワルツェネッガー:「ハロー・エブリバディ! (「ハロー」と記者達) 日本語で喋らなきゃいけないかな、と思ったら通訳が来てくれたので助かった。また日本に戻って来ることができて大変嬉しく思っています。私は映画ができる度に日本に来てます、それくらい日本が好きで、特に日本の方々が好きです。また日本のファンにもお礼を申し上げたい。本当に忠実なファンでいてくださって、私の映画を観てくださっている。ファンがいなければヒットというのは生まれないわけですから、そういう意味でも改めてお礼を言いたいと思います。またファンのみならずプレスの方にも、そのサポートに対してお礼を申し上げたい。日本のジャーナリストは映画をサポートしてくださるのみならず、私のすること、例えば“スペシャル・オリンピックス”などの活動に関してもいつもサポートしてくださっている。前回来日した時にこう言った記憶があります。“I'll be back”と言ったので、今回ちゃんと約束通り戻ってきました(笑)」
Q1:今の(不安定な)世界の現状というのがあるのですが、その中で映画に関わる人間は、映画作りにおいて、どういう責任があると思いますか? テロとの関係を踏まえてお聞かせください。
アーノルド・シュワルツェネッガー:「私の信念としては、『その職業の人が、その職業をやるべきである、その仕事を一生懸命やることである』と考えています。ですから例えば今、米軍はテロと闘うという素晴らしい仕事をしてるし、CIA、FBIもそれぞれが彼らの分野において、この状況の中で戦っている。アメリカ以外の国も、例えばイギリスですとかも、国際的な協力姿勢の元に、各国の軍隊は闘っているのです。そして政治家、彼らは政治のプロです、その政治のプロとしてそれなりのテロへの対応を模索している。ですからそういう仕事をハリウッドにそのまま押しつけられてもこれは困るわけで、ハリウッドにいる我々の仕事、我々の責任というのは、大衆に娯楽を提供するということです。現実を考えると、テロの攻撃を受けて、いまだその解決法は見つかっていないわけですね。でもそういう状況の中でハリウッドがやるべき事は、そういう状況にいる大衆の方々にエスケーピズム、何か日常の暗さを忘れて逃避する、そういう場所を与えてあげるというのが使命であり、この映画もまさにそういう映画です。まあ言うなれば、第二次世界大戦中のジョン・ウェインの西部劇映画を想起してください。あれは非常に暗い戦争という状況の中で、人々に前向きな姿勢を与え、娯楽を与えた。そういうことが我々の今のハリウッドに求められているのではないかと思っています」
Q2:コミネです。ごぶさたしています(小峯隆生氏は『T2』にも出演した銃器オタクの元週刊プレイボーイ編集者で、シュワとも個人的に仲良し。あ、宅八郎の敵の一人でもある。現在は小説家・漫画原作者など肩書き多数、映画監督修行中でもあるらしい)。9月11日のテロの後にNYPDと同時にNYFD=ニューヨークの消防士達というのが、子供達のヒーローになっています。今回、消防士を演じられていますけれど、彼らのどのポイントがヒーローになりえたのか、演じた経験を踏まえて説明してもらえませんか?
アーノルド・シュワルツェネッガー:「私が考えるヒーローというのは、自分の仕事に命を賭ける人。これが英雄的な仕事をする人ではないかと思う。人命を救うことに関わる人ですね。それは例えば軍人であってもそうですし警官、それからレスキュー隊、そして消防士達も、全て人命を助けるために命を賭けるわけですから、そういう意味で非常にヒロイックな人達だと思います。でも最近までは軍人というのが一番ヒーローの最たるものではないかと思われがちでした。いままで消防士に関しては、彼らどういう風に働いているのか、その内情について立ち入った紹介というのがあまりなかったので、人々はやはり兵隊がヒーローだと感じがちでした。しかし9月11日のあの事件で、我々は焼けて崩れそうなビルに飛び込んでいく消防士達の働きを目の前で見ました。数百人もの消防士が、ビルが崩壊することを知りつつ、80階まで重い消防服を着て昇っていって、消火ホースをひっぱりながらも人命を助けようとした姿を見たわけですね。我々は彼らがヒーローであるということを本当に目の当たりにしたわけです。しかし実はこの映画の企画段階では、映画会社の重役達からは、『消防士はヒーローとしてちょっと弱いんじゃないか?』という意見もあったのです。CIAにしようとか軍人にしようとか殺しのプロにしようといった意見も出ました。でも私はその時に『そうじゃない。消防士は今までに使われていないユニークな役柄だし、非常にヒロイックな人だから』と説得したのです。命を賭ける、そういう点がヒーローなのだと思います」
Q3:3人の娘ともどもあなたのファンです。確かにあなたの出演作は現実からエスケープできる要素を持った映画だと思っています。ところで『T2』の警官が変型するシーンですとか、観客がゾクッとするように怖い映像のあるSF映画への出演が多いようですが、あなたはそうした人を怖がらせる映画に興味があるのでしょうか?
アーノルド・シュワルツェネッガー:「まあ映画は、例えば観客を怖がらせていいか悪いかというのにもいろいろな意見が出るわけですね。怖いシーンは慎むべきだとか、R指定にして観ていい観ちゃいけないと決めるですとか、限りない論争が起こるわけです。この映画に関しては、やはり何シーンかあまりにも観客が怖がったりショックを受けるシーンがあり、そこはトーンダウンしました。そういうのはモニター・テストにかけて、モニターした観客の反応を見て『これはちょっとやり過ぎだから抑えよう』という風にして決めるわけです。そして『T2』の話が出ましたが、もうすぐ『T3』の撮影に入ります。これもやはり非常に怖い場面が作られるはずです。でもそれが『ターミネーター』シリーズのルック=特徴なのです。お客さんを怖がらせる、でもそれをエンジョイするお客さんもいるわけです。それに応える必要もあるのです。ですから『T3』もかなり怖い映画になると思います」
Q4:日経新聞です。今、娯楽の要素として暴力、バイオレンスというのは欠かせないと思うんですけれども、「9.11」テロ以降、映画の中のバイオレンス表現は変わる、あるいは変わるべきだと思われますか? また実際に持ち込まれた脚本に、すでに変化は見られますか?
アーノルド・シュワルツェネッガー:「実際の現実の世界での暴力行為と、映画の提供するものとは全く関係がないと私は思います。アクション、バイオレンスは現実に起こりますけれど、それは映画がひき起こしているのではないと言う立場です。実際、現実としてあのテロ事件の後、アメリカのビデオレンタル店では、アクション映画やバイオレンス映画、テロに関する作品などがたくさん借り出されまして、一時品薄になったほどでした。それは、やはり観る人が現実のあの事件からエスケープしたいという気持ちからだと思います。自分の家の居間に座って、あの事件に関してのスイッチを切って、別世界に行きたい、というわけでそれらのビデオが借りられたのです。そして安全な映画の中でのアクション、セミ・バイオレンスを、別世界でそういうものを見たいという気持ちがあったのだと思います。ですからシナリオにも、別に今のところ全然何の変化も起こっていません。あの事件によって変わるということはないようです。そしてタリバンですとかアルカイダがやっていることも決してハリウッド映画が触発したわけではないし、その間に因果関係はないと考えます」
Q5:ABCテレビです。9月11日のテロでこの映画もいろいろな意味で影響を受けたわけですが、確かに「映画は娯楽だ」とおっしゃいましたが、この映画を通して何か平和へのメッセージといったものを頂けませんか?
アーノルド・シュワルツェネッガー:「映画の将来像というのは、先程いったようにテロによる影響はそれ程受けないと思います。テロ映画というテーマに関しては確かに少しシナリオを書き直すといった配慮があるかも知れませんが、一般的に言ってやはり今後も同じようにサスペンス映画やSF映画、そして軍隊を扱った映画も作られていくと思います。そして観客の方もちゃんとこれがファンタジーであり現実じゃないと区別がついて観ているわけですから、そういう映画は相変わらず作られていくでしょう。そこに変わりはないと思います。ですが映画の別のジャンルとして、平和を謳うもの、人間関係をテーマにしたもの、ラブストーリー、そして人間の寛容さを訴えるものは、作られてくべきだと思います。そして本当の人間の実生活を描いたもの、戦争ではなく、そういう映画を通して平和を達成しようという意志に基づいて作られた映画ももちろん必要だと思います。この10年間、いえ20世紀という世紀は、本当に“戦争の世紀”でした。そして不必要なまでにたくさんの命が奪われました。ですからこれからの新しい世紀には、やはりもっと平和というものが世界に広まるべきです。そういう時にただテロと闘うだけではなく、テロのルーツ=根本、“何故、テロが起こるのか?”という土台をちゃんと認識して、土台から押さえていこうとする努力が必要なのです。そういう面を訴えていく映画ももちろん必要だと思っています」
Q6:夕刊フジです。この映画はテロ以前に作られたわけですが、ストーリーがテロ事件と大変似ていたことについて、最初どのように思われましたか? また我々にとっては確かにエンターティンメントなんですが、テロで亡くなられた消防士などの遺族の方々にとっては、やはり似ていることで連想して思い出してしまうのではないかと思うのですが、それに対して例えば犠牲者の身内の方にどのように観ていただきたいですか?
アーノルド・シュワルツェネッガー: 「TVでツインタワーの事件を見た時、まず最初は4000人もの無実の人が、テロのアタックで亡くなってしまったということしか頭に浮かばなかった。なんというインセイン=狂気の沙汰ではないかと。それしか考えられませんでした。その後、子供達を学校に送っていきました。その時、妻に『コラテラル・ダメージ』の公開を延期すべきじゃないか?と言われ、ああ、そうだ、内容が似ていると、そこで初めて気付いたんです。確かにそうだと思ってすぐにワーナーブラザースに電話して、ミーティングを開いて、『この映画は封切りを伸ばすべきではないか』と提案しました。ワーナー側も当然だということでその日のうちに延期が決定したのです。それから、実はNYで、あの時犠牲になった消防士、レスキュー、警官の遺族の方々を招待して、特別なプライベートな試写会を行いました。たいへんサクセスフルなな反応で、感謝を受けました。そして私が今回の事件で設立されたツインタワー・ファンド=基金には100万ドル寄付し、また財団のメンバーになって資金を募る運動にも関わっています。現在すでに2億ドルが集まりまして、それは全て遺族の方々に渡っています。感謝してもらえていると思います」
Q7:今のハリウッド映画はCGやワイヤーアクションの技術が発展しすぎて、実際はアクションのできない子供や動物までもが実際にアクションをしているかのように撮ることができます。こういう現状に対して、実際に体を張って第一線でアクションをやられてきたシュワルツェネッガーさんとしては、どう思われていますか?
アーノルド・シュワルツェネッガー:「私はそういうテクノロジーの発達というのは、映画界にとってプラスだと思います。CGI、それからブルースクリーンやグリーンスクリーンの前で撮ってそれを処理するというような技術は大変素晴らしい。そしてテクノロジーが発展すればするほど、映画にはリアリティが増すわけです。以前はどうして撮っていいかわからなかった場面、危険すぎるですとか物理的に不可能であるとか費用がかかり過ぎるとかいったシーンが、今やテクノロジーで解決できるわけですね。そういう意味で大変素晴らしいと思いますし、それが結果として実らせる娯楽の限界も凄く上がったわけで、それはやはり歓迎すべき事ではないかと思います。動物が喋ったりする映画、例えば『ドクター・ドリトル』などは、私の子供たちが大好きな映画です。鳥や兎や犬や熊が喋る、しかも本当にリアリスティックに喋るのです、これはもちろん20年前には不可能なことでした。これは別のジャンル、アクション映画やSF映画でも昔できなかったことが今はできるわけです。ですから私はハイテクの進歩はウェルカム、大歓迎です」
Q8:本当に面白い映画でした。今20年前と仰いましたが、我々にとっては『コナン(・ザ・グレート)』ですよ。それ以来ずっと、コメディは別として、常に空を飛ばないスーパーマンだったシュワちゃんが、心臓で病気になった時に、我々ファンは「ああやっぱりシュワちゃんもオーディナリーな、普通の人だった」と思ったわけですが、こないだ渡辺謙さんも……(司会の「すいません、ご質問は何ですか?」に場内失笑)……すいませんお体はもう大丈夫ですか?
アーノルド・シュワルツェネッガー:「20年も私の映画を観ていてくださって本当にありがとうございます。ご心配なく。本当に全く健康に戻りました。手術の技術も今や凄いハイテクでして、手術した翌日から元に戻れるわけですから、本当にターミネーターが故障したバルブを取り替えたら治ってしまうように、人間の身体がそういう風に治ってしまうわけです。医学面でのハイテクの進歩もすごいと思っています」
Q9:映画の中でCIAがゲリラの村を襲撃するシーンがありましたが、あれは本当に(娯楽作品としての)ドラマチックな意図だけなんでしょうか? どういう意図で盛り込まれたのか教えて下さい。
アーノルド・シュワルツェネッガー:「あの場面は最初のシナリオからありました。しかしさっきの発言である部分を少しトーンダウンしたと言いましたが、あの村の場面がそのシーンのひとつなんです。実際にシナリオに書かれていて、また実際に撮影したものには非常に生々しい場面もあって、何故ここまで描写しなくちゃいけないのか?という疑問が湧きまして、少しトーンダウンしたのです。殺された子供の死体がゴロゴロあって、そこまで描く必要はないのではないかと判断したのです。しかしあのシーンは、この映画がアメリカ側だけのワンサイドの視点で見ているのではないことを表しています。コロンビアのテロリストが、アメリカに来てテロ事件を起こす、あるいはアフガンなど中東の人々がアメリカに来てテロを起こすといった観方だけでは公平ではない。やはり現地の人々も犠牲になっていることも描くべきだ、両側から描こうという意図の元にあの村の場面が描かれたわけです。現在のテロのシチュエーションというのは、『アッチが良い、コッチが悪い』と、明確に指を指せるものではありません。全員が関わっていて、そして誰かが“コラテラル・ダメージ(政治目的のためのやむを得ぬ犠牲)”を受けるわけです。もし誰かが爆弾を爆発させれば、目標の人だけでなく、必ずそこに巻き込まれて死ぬ方がいる。それが現実だということを描きたかった。だから空爆で爆弾を落とすとすれば、必ずそこでコラテラル・ダメージが出ることを考えて、そのことを二度そこで考える、『ちょっと待てよ』と。そういうことを皆で考えていくことが必要だというのが、この映画のひとつのメッセージではないか、必ずコラテラル・ダメージのことを考えて行動に移るべきだというのが、この映画のメッセージではないでしょうか?」
司会:実はこの作品、2月8日にアメリカで公開されてNo1ヒットとなりました。おめでとうございます。最後にアーノルド・シュワルツェネッガーさんにとって5年ぶりの第一位となったことについて、お伺いしたいと思います。
アーノルド・シュワルツェネッガー:「やっぱり自分が関わった映画がヒットするのは、もちろん素晴らしく嬉しい気持ちがするものです。とにかくあれだけ自分達が何ヶ月もかけて注ぎ込んだハードワークが報われた。プリプロダクションがありプロダクションがあり、撮影がありアクティングがあって、ポストプロダクションがあってマーケティングの部分もあって、しかも多額の資金を注ぎ込んだそれだけの労作が、世間に認められることは勿論嬉しいわけです。そして今週のトップだとか今月のトップだとか言われるのは、とても満足感を味わえるものです。私はその当事者としてエンジョイし、スリリングな気分、そしてエキサイティングな感情をいつも抱きます。今回こうしてPRで世界中を回り、特にアジアの方々にこの映画を見ていただきたいのですが、そうやって世界でヒットしてくれることは、本当に嬉しいことなのです」

司会:ありがとうございました(拍手)
会見終了後、彼がサポートしている知的障害者のためのスポーツ競技会“スペシャル・オリンピックス”の選手達が登場。シュワちゃんも、このイベントへの理解と協力を呼びかけた。
アーノルド・シュワルツェネッガー:「私は映画の宣伝もしますけれども、その他に国際大使として、この“スペシャル・オリンピックス”というイヴェントのプロモーションもしています。世界中に映画の宣伝にいく度に、このお仕事もしています。2年前は中国に、去年は南アフリカにいって(ネルソン・)マンデラさんと一緒にこの“スペシャル・オリンピックス”のプロモーションをいたしました。日本ではニッポン・ゲームスというのが3年連続で行われ、今年の夏は8月15〜18日に開催されます。約千五百人でしょうか、大勢のアスリート達が参加して、1年間の練習の成果をこのハイライトの大会で競います。この“スペシャル・オリンピックス”というイヴェントは、1968年に私の義理の母、ケネディ夫人が始めたもので、全世界で盛んにサポートされています。これは“スペシャル・オリンピックス”に属しているアスリート達が、他の人達と平等である、そういう人達に敬意を払おうというポリシーの元に開かれているのです。このアスリート達はどんなスポーツだってできる、どんな仕事だってできる、どんな学校だって行ける、どんな街にも住める、そんな風に平等なんだ、彼らに敬意を!という信念の元に開催されてきました。日本でも今回、開催できて本当に嬉しく思っています。ありがとうございました」(拍手)
そしてアスリート達も交えて記念撮影。中には感極まって泣き出す女の子もいて、優しく一緒に壇上を降りるシュワちゃんだった。なかなか感動的な雰囲気で会見は終了したのであった。
Text:梶浦秀麿
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