[タイムマシン] The Time Machine
2002年7月20日(土)より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて公開!

監督:サイモン・ウェルズ/脚本・共同製作:ジョン・ローガン/製作:ウォルター・F・パークス、デイビッド・バルディズ/撮影:ドナルド・M・マカルピン/原作:H・G・ウェルズ(「タイムマシン」角川文庫 刊)/出演:ガイ・ピアース、サマンサ・マンバ、ジェレミー・アイアンズ、オーランド・ジョーンズ、マーク・アディー、シエナ・ギロリー、フィリーダ・ロウ、オメーロ・マンバほか
(2002年/アメリカ/1時間36分/配給:ワーナー・ブラザース映画)

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【STORY】
1899年冬・ニューヨーク。大学で教鞭をとる若き科学者アレクサンダー・ハーデゲン(ガイ・ピアース)にとって、恋人のエマ(シエナ・ギロリー)との今日のデートは特別だった。美しく快活なエマは、アレクサンダーの学問への情熱を理解し、堅物で世間知らずの彼を暖かい愛情で包んでくれている。その日、スケート場でエマと待ち合わせたアレクサンダーは、公園を散歩しようとエマを誘い、彼女の誕生石であるムーンストーンの指輪を渡して結婚を申し込む。ひたすら研究に没頭する暮らしを続けてきた彼は決して裕福でなく、ダイヤモンドを買う金はなかったのだ。その指輪をエマは心から喜び、二人は永遠の愛を誓う。その時、木立の陰からピストルを持った強盗が現れる。しかしエマは、愛の証である指輪を渡すことを拒む。指輪を奪おうとする強盗とエマはもみ合いになり、強盗の発砲した弾は、エマの胸に命中してしまう。雪の中に倒れたエマは、そのまま息を引き取った…。その日からアレクサンダーは、食事も満足に取らず、着替えもせず、憑かれたように研究に没頭する。アレクサンダーの世話をするウォチット夫人(フィリーダ・ロウ)と親友のフィルビー博士はそんな彼を心配し、エマを失った悲しみから何とか立ち直らせようと慰め、助言する。しかしアレクサンダーは二人の声に耳を貸そうとしない。彼が研究していたのは、「あの日」に戻って過去を変えるための“タイムマシン”だったのだ…! もともとタイムトラベルが可能であることを証明する研究に従事していたアレクサンダーは、4年の歳月をかけてついにタイムマシンを作り上げる。光り輝く優美な姿をした機械に乗り込んだアレクサンダーは、目盛りを「あの日」に合わせる。そして彼は、エマを失った運命の日に戻ることに成功したのだった。あの日と同じように、スケート場でエマと落ち合ったアレクサンダーは、公園には行かず、エマを町に連れ出す。このまま馬車で家に送り届ければ、強盗に殺されることもない。そう安心したのもつかの間、アレクサンダーがちょっと目を離した間に、エマは暴走してきた馬車に轢かれて命を落としてしまう。言い様のない衝撃を受けるアレクサンダー。「過去を変えることは出来ないのか…?」その答えを得るために、アレクサンダーは未来へ旅立つのだった…。

【REVIEW】
1895年に出版されたH・G・ウェルズのSF小説「タイムマシン」 を彼の曾孫にあたるサイモン・ウェルズが映画化。最新のVFX技術を駆使した豪華なSFアドベンチャーだ。サイモン・ウェルズは本作が監督デビュー。これまではドリーム・ワークス製作のアニメーション映画『プリンス・オブ・エジプト』の助監督を務めるなど、主にアニメーションの世界でキャリアを積んで来た人だ。今回の起用に関して、H・G・ウェルズと彼が血縁関係にあったことは偶然だと言う。

物語は目の前で殺された婚約者を取り戻すために、タイムマシンを作って過去へ向かうところから始まる。ロマンチックに思えるが、そこには絶望が存在する。過去に戻っても同じ様に命を落としてしまう彼女。「千回戻れば千通りの死に方を…?」と絶望した彼は答えを求めて未来へ旅立つ。でもちょっと待って、1回戻って絶望するのは早くない?…となんだか諦めきれない気持ちを抱きつつ見ていると、いつの間にか豪華なCGの世界を通って主人公は80万年先の世界へ。ここからは完全に別世界、SFの世界だ。過去を変えるよりも、今を生きること、未来を創ることの方が大切…そんな事はわかっているけどでも、映画にはついファンタジーを求めてしまうもの。エマとのエピソードはタイムマシンを作る必然性を生み出すだめのものだったのか…? 主人公に感情移入できず、なんとなく腑に落ちない気分を引きずったまま、ラストシーンを迎えることになった。しかし、この映画はあくまでもSF。娯楽を求めるべきものではないのだろう。そして80万年の時間の流れを体感できる映像は圧巻。それだけでも見る価値はある。

主演は昨年カルト的大ヒットとなった『メメント』のガイ・ピアース。『プリシラ』『L.A.コンフィデンシャル』など、インディペンデント系の秀作に出演してきた彼が、いわゆるハリウッド大作に出演を決めた理由は子供の頃にTVドラマ「タイムマシン」の大ファンだったからだとか。それにしてもこの人、いい体をしているのだが、元ボディビルダーと聞いて納得できる様な、意外な様な…。

Text:nakamura [UNZIP]


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