[モンスーン・ウェディング]
2002年8月17日よりBunkamuraル・シネマにて公開

監督:ミラ・ナイール/脚本:サブリナ・ダウン/音楽:マイケル・ダンナ/出演:ナジルラディン・シャー、シェファリ・シェティ・ティロタマ・ショーム・リレット・デュベイ・ヴァソンダラ・ダス・ヴィジェー・ラーズほか
(2001年/インド/配給・宣伝:メディア・スーツ)

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【STORY】
インドのデリーに住むビジネスマン、ラリット・ベルマ氏の庭では結婚式の準備が始まっていた。長女アディティが親の決めた縁談を承諾したのだ。相手は現在、アメリカで仕事をするエンジニアのヘマント・ライ。彼女はテレビ局の仕事も辞めて、彼の住むヒューストンについて行くことになっていた。ベルマ氏はモンスーンの時期に親戚縁者を集めて伝統にのっとった式を挙げようとする。しかし、これらがはからずも集う人々の愛のタペストリーを織り成すこととなった。結婚式の準備が着々と進むなか、9人の男女がそれぞれの悩み、 愛に対してさまざまな選択をしてゆく…。

【REVIEW】
登場人物の一人一人が良く言えば個性的。その中でも注目はウェディング・プランナーのPK・デュベイだ。毎日携帯を片手に忙しく仕事をしている中でもユーモアを忘れない、愛敬たっぷりなお調子者の彼を見れば見るほど憎めなくなってしまう。特にマリーゴールドの花をムシャクシャすることがある度に食べる、あの仕草にはウププ…!(ちなみにマリーゴールドには葉の油線からのぼるアニス香を嗅ぐことで不快な気分を和らげる効果があるらしい) そんなデュベイはベルマ家のメイド、アリスの何げない優しさに惹かれ恋に落ちる。そして彼は、大好きなマリーゴールドを使ってアリスに思いを伝えるのだが……そこからは是非劇場で確かめて欲しい。不倫やトラウマなど重くのしかかる悩みをかかえた登場人物達の中で、唯一“普通”なデュベイは、だからこそ現実味が感じられ、彼の真っすぐな生き方に共感が出来た。生きていると人生いろいろなことがある。「それらを楽しまなくちゃ!!」…そんな思いがノリのよいインド音楽に乗って…そう!例えるならスコールが止んだ後の壮快感を感じさせてくれる、そんな映画だ。

Text:ツッツー

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