[国姓爺合戦] 英雄・鄭成功傳
11月2日、シネ・リーブル池袋、銀座シネパトス他にて公開

監督:呉子牛/脚本:張冀平/出演:趙 文卓(チウ・マンチェク)、徐 敏(シィ・ミン)、朱 晏(ズウ・アン)、杜 志国(トウ・チークオ)、蒋 勤勤(ジアン・チンチン)、島田 楊子ほか
(2001年/中国・日本/105分/配給:日活株式会社/宣伝:ライスタウンカンパニー)

(C)2001 A Mind Creator Presentation/(C)2001 国姓爺合戦製作委員会

【STORY】
17世紀半ばの中国…時代は、明から清へ変貌しようとしていた。明朝に仕える重臣・鄭芝龍を父に、日本人女性を母に持ち、長崎・平戸で生を受けた鄭成功(チウ・マンチェク)は、やがて中国に渡り明朝に忠誠を誓う。時の皇帝・隆武帝は鄭成功に、皇帝と同じ称号を意味する「朱」の称号を与えることでその忠心に応える。以来、「国姓爺」(皇帝の姓を名乗るべき偉人の意)と呼ばれ明の復興を願う民衆の支持を得た。大陸では清の激しい攻撃にさらされ、台湾をオランダに支配され、明は存亡の危機だった。鄭成功は「抗清復明」をスローガンに、中国全土に広がっていく清朝派の軍と勇猛に闘い、ついには台湾に君臨するオランダを撃つために立ち上がった…。

【REVIEW】
アジアの英雄として名高い鄭成功の物語。鄭成功という人は、崩壊しつつあった明に最後まで忠誠を尽くして清と戦い、清には破れたものの、その後台湾に渡ってオランダの支配下にあった台湾を解放した人物だ。全く歴史を知らず、何も考えずに観ても、ビミョーに娯楽性があるので、それなりに楽しめると思う。むしろ歴史や社会的背景をわかった上で観ると、「台湾は中国の一部」と強く主張しているところなどが気になってしまうかもしれない。この映画は中国と日本の製作なので当然と言えば当然なのだが、お金を払って政治的なメッセージを押しつけられるのはあまり歓迎したくないもの。いっそ娯楽映画として“英雄”鄭成功を描ききってくれれば面白かったと思う。

とは言え、香港のカンフー役者ではNO.1と言われるチウ・マンチェクの豪快な立ち回りが見られる戦闘シーンはなかなかの迫力。ただ、カメラワークが非常に独特で、ひとむかし前の特撮映画を思わせるところが個人的には笑えました。

Text:nakamura [UNZIP]


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