[サイドウォーク・オブ・ニューヨーク]
SIDEWALKS OF NEW YORK

2003年4月26日より、シアター・イメージフォーラムにてロードショー

監督・脚本・主演:エドワード・バーンズ/出演:ヘザー・グラハム、ロザリオ・ドーソン、デニス・ファリーナ、ブリタニー・マーフィー、スタンリー・トゥッチ、デイヴィッド・クラムホルツ他
(2001年/アメリカ/107分/配給:パラマウント ホーム エンタテイメント)

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【STORY】
舞台はNY。『今週のエンターテイメント』というテレビ番組でインタビュアーを務めるトミー(エドワード・バーンズ)は、同棲中の恋人に、ある日突然追い出される。同僚のカルポ(デニス・ファリーナ)の部屋に転がり込んだところ、ナンパ師のカルポは「心の傷を癒すのは新しいオッパイさ」と、トミーにナンパを勧める。傷心のトミーは師匠の言葉通りに早速ビデオ屋で出会ったマリア(ロザリオ・ドーソン)をナンパするが、マリアは離婚の後遺症で恋愛に臆病になっていた。そんなマリアのもとに押しかけてきては「まだ愛している」と言う元夫のベンジャミン(デイヴィッド・クラムホルツ)。彼は、ドアマンとして働く売れないミュージシャンだ。トミーの新居探しを手伝う不動産屋のアニー(ヘザー・グラハム)は、夫で歯科医のグリフィン(スタンリー・トゥッチ)の浮気に薄々気が付いている。相手は公園でナンパした不倫体質の女子大生アシュレー(ブリタニー・マーフィー)。グリフィンはすっかり入れ込んでいるが、アシュレーは「もしかして私って都合のいい女?」と虚しさを感じていた…。6人の女と男が織りなす恋模様は、ハッピーエンド? それとも修羅場と化すのか?

【REVIEW】
『マクマレン兄弟』『彼女は最高』『ノー・ルッキング・バック』に続く、エドワード・バーンズ監督の最新作。『プライベート・ライアン』や『15ミニッツ』などで俳優としても活躍している彼は、映画監督のなかで最もハンサムと噂されているらしい。共演しているヘザー・グラハムとは、撮影当時、恋人同士だったとか。そんなバーンズが主演もつとめる本作は、ニューヨークを舞台にした、男女6人の恋物語だ。「棲み分けが明確なNYの、わかりやすい“NY人間カタログ”」という言葉が、まさにぴったりな6人は、職種も年齢もさまざまだが、“いかにもNYにいそうな”典型的ニューヨーカー達。ヘザー・グラハム演じる、アッパーイースト出身のアニーなんて、女性ファッション誌に出てくるハイソなニューヨーカーそのもの。ピンクのマフラーを首にかけ不動産屋の青いファイルを持った姿が、コーディネイトされたみたいにお洒落だ。彼らに共通しているのは、ロマンティックな恋を欲する気持ち。6人の男女の恋模様が、インタビューをまじえてテンポよく描かれた佳作である。

注目して欲しいのは、女子大生アシュレー役のブリタニー・マーフィー。エミネムとの共演が話題になった『8 mile』も公開を控えているが、大きな目に濃いアイメイク、ガリガリの体型、…といったアンバランスな“キュートさ”を備えたアニメのキャラクターみたいな容姿は日本でも人気が出そうだ。汚れ役を演じても輝きを失わない…というよりも、むしろタフな魅力が光る希有な女優。本作では、不倫に悩む役どころだが、あくまでもポジティブな姿に好感がもてる。彼女が働くカフェでのキュートなエプロン姿も、要チェック。

Text:nakamura [UNZIP]

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