ルールズ・オブ・アトラクション
監督・脚本:ロジャー・エイヴァリー
出演:シャニン・ソサモン、ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク、イアン・サマーホルダー、キップ・パルデュー、ケイト・ボズワース他
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Interview with KIP PARDUE / the rules of attraction

バブル最盛期だった80年代半ば。若者の孤独感や空しさを描いた小説が次々と発表され“ニュー・ロスト・ジェネレーション”という一種の世代カテゴリーを示す言葉が生まれた。64年生まれのブレット・イーストン・エリスもそういった人々の姿を描く作家の一人であり、85年の処女作『レス・ザン・ゼロ』に続いて発表した『ルールズ・オブ・アトラクション』は、映画化が記憶に新しい91年発表の『アメリカン・サイコ』へとつながる3部作のひとつとなっている。

本作は、大学生たちの虚無感や孤独をおぼえる日々が独特の切り口で描かれ、そんな中に登場するナンパやパーティーに溺れるヴィクターを演じているのが、『ドリブン』で天才レーサーを、そして『タイタンズを忘れない』ではさわやかスマイルがお似合いの転校生を演じた今回登場する二枚目俳優キップ・パルデューである。

とても気さくでどんな質問に対しても笑顔で答えてくれる彼に、『ルールズ・オブ・アトラクション』の魅力を語ってもらった。
Q: まずは、作品に出演するまでの経緯を教えてください。それからどうしてビクターを演じることになったのでしょう?

KIP PARDUE:
役者になる前からエリスの小説は大好きで長年のファンだったんだんです。でも、昔はモデルや役者になるなんて夢にも思わなかったから、当時ヴィクターを演じたいって思うことは無かったですね。最初は、この『ルールズ・オブ・アトラクション』のあとに出版された『グラモラマ』の映画化に関するミーティングがあって、そこでヴィクター役の話を進めていました。エリスが好きだという話をそのときにしていたら、たまたまそこに居合わせたスタジオの重役が、興味があるなら権利を取ろうか?って言ってくれて、その6ヶ月後に『ルールズ・オブ・アトラクション』の脚本をもらったんです。でも、最初はポール役でのオファーで、自分としてはどうしても『グラモラマ』でも演じるヴィクターが演りたかったから、脚本を読む前に、エージェントに電話をして「ヴィクターをやらせて」って強くお願いして変えてもらったんです。そして、あらためて原作を読み直して、ヴィクターを演じたい想いはさらに強くなりましたね。役者になってから好きな作品のキャラクターを演じたり、大好きな原作を映画化することが夢でもありましたから。その後、不思議なことに、色々とあって『グラモラマ』の監督やスタッフがはずれて、映画化権が僕のところに来たんですよ。だから、今はロジャー監督と二人で手がけているところです。
the rules of attraction
Kip Pardue as Victor
Q: 旅行先でもナンパに明け暮れ、酒やドラッグを愛するヴィクターを演じてみて、共感は出来たのでしょうか? 彼についてはどう思いますか?

KIP PARDUE:
個人的に共感している訳じゃなくて、作品を通して、周りにはこういった人たちがいるよなーって思うことが多いですね。ぼくがローレンやララとデートするなら、もっと大切に扱いますよ。ボーイフレンドとしてのヴィクターはとても嫌な奴だから、自分はそうはならないようにしたいと思います。でも、エリスの小説に登場するキャラクターにはそういったどこか悲しいところがあるんです。自分は外見ばかり気にしている人たちとか、作品の中に出てくるような名前を間違って呼ぶような人々とかって悲しい瞬間ですよね。この作品の中では愛とか自分を満たしてくれるものを探しているけど、映画の中のキャラクターたちはそれをドラッグやセックス、旅の中で出会えると思って探索しています。でも、本当は自分の内面を探さなくちゃいけないんですよね。自分が大学にいた時には、彼らとは違って自分の内側を見つける時間を多く持っていました。

Q: 役づくりは何かされましたか?

KIP PARDUE:
エリスの小説を読んだ自分の解釈から、ちょっと早口で平坦なしゃべり方をしています。エリスの小説には感情をあらわにしない話し方をするキャラクターが多いので、それを活かすためにも監督と話し合って決めていきました。
Q: ショーンを演じたジェームズ・ヴァン・ダー・ビークやローレン役のシャニン・ソサモンなど、同世代の若手俳優が数多く出演している作品でもありますが、彼らと共演してみていかがでしたか?

KIP PARDUE:
実はこれまでの作品では、年上の役者と共演する機会には恵まれていたんだけど、同世代の若手の役者たちとこんなに仕事をする機会はすごく少なかったんです。みんな、本作が他のどんな作品とも違ったものに仕上がるということを感じていたようで、みんなワクワクした雰囲気の中で撮影していました。ただ、ヴィクターは特殊な役どころで、他の共演者との撮影は4日間ぐらいしかなくて、あとは僕一人がヨーロッパの旅行シーンを撮影していたから、残念ながら一緒に仕事をして過ごす時間はほとんど無かったんです。それでも、シャニンとは一番多く仕事をしてとても楽しかったし、人として温かい心を持った人だから、今度また一緒に仕事をしてみたいです。
the rules of attraction
Ian Somerhalder & Shannyn Sossamon
Q: ヨーロッパの撮影では実際にヴィクターの名前でナンパをして撮影に臨み、声をかけられた女の子たちはみな現地の子たちだそうですが、撮影中のエピソードをお聞かせ下さい。

KIP PARDUE:
きっと聞かれるんだろうなーって思ってましたよ。僕個人的には、女の子に声をかけるのは苦手で好きじゃないんです。でも女の子をひっかけるのがヴィクターなので、演じるに当たっては自信たっぷりの態度が戦略でもあるので、それを心がけてました。撮影期間約2週間のうち、最初は失敗の連続で、幸いそういったシークエンスは劇中で使われてはいません。でも、不思議なことに、自信たっぷりの傲慢な態度でアピールした方が、なぜかうまくいっているんですよ。

Q: 役者以外の活動に興味はありますか?

KIP PARDUE:
最近、6ヶ月ほどオフを取っていて、その合間に小説を書いていたんです。監督やエリスが励ましてくれたので書き上げることが出来たんですけどね。読んでもらったのも彼ら二人だけです。二人ともぜひ出版するべきだって言ってくれました。エリスは自分の使っている編集者を使えとまで薦められたので、身が縮む思いでしたけど、嬉しかったです。でも、ライターは役者よりも大変だと思うからライターになるのは「うーん…」って感じですね。ぼくはバンド活動もしているからミュージシャンとしてアルバムを出してみたいけど、監督業は忍耐がないから難しいと思いますね。
インタビュー終了後もにこやかに写真撮影に応じてくれたキップ・パルデュー。華奢なイメージとは裏腹にアメフト仕込みのがっしりとした肉体と、周りに気を配る包容力に、多くの女性がうっとりするのも納得。これからどんな役を演じ、どんな違った顔を見せてくれるのか、今後の活躍に期待したい。

『ルールズ・オブ・アトラクション』 オフィシャルサイト
http://www.rules-jp.com

文・写真 うたまる(キノキノ



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