Italian for Beginners
デンマーク発、第12作目の“幸せになるためのドグマ映画”。
普通に、普通の幸せはあるということを忘れていませんか?

REVIEW:
ラース・フォン・トリア−が95年に提唱した“ドグマ95”の第12作目となる『幸せになるためのイタリア語講座』は、ドグマシリーズ初の女流監督、ロネ・シェルフィグによる“素敵”なお話。

舞台は北欧のコペンハーゲン、それぞれが何かしらに抑制され幸せになれないでいる30代の男女。そんな彼等は何らかの思惑で、あるいは何気なくイタリア語講座に集い、それぞれが幸せになるための何かを手に入れて行く…。

これまでのドグマ映画というと『イディオッツ』や『セレブレーション』といった、ちょっと特異な作品が多かったけれど、本作は教義とかそんな堅いことを考える前に、単純にストーリーや登場人物に入っていける、ドグマ的には特異な作品になっている。

デンマークをはじめとする北欧の人々は皆、少なからず太陽あふれる南の国イタリアに憧れを持っている。憧れの象徴であるイタリアという国の言語を学ぶことをきっかけに幸せになって行くという洒落た設定、さり気なく映るヘニングセンの照明、30代という微妙な“年頃”がフィーチャーされるところなど、女性として結構くすぐられる。

幸せになりたいと言ってばかりいないで、そこにある幸せに気付くことが大切ということを教えてくれるシンプルなこの映画、ストレスいっぱいの日本人、マイナス思考になりがちな働く私たちを、きっとポジティブな気持ちにさせてくれるはず 。

Text:Yukiko Kodama

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『幸せになるためのイタリア語講座』
2004年2月7日より、シネスイッチ銀座、関内MGAにてロードショー
(2000年/デンマーク/112分/配給:ザジフィルムズ)


CAST&CREW:
監督・脚本:ロネ・シェルフィグ
製作:イブ・ターディーニ
出演:アンダース・W・ベアテルセン、アネッテ・ストゥーベルベック、ピーター・ガンツェラー、アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン、ラース・コールンドほか


REVIEWER:
Yukiko Kodama

EXTERNAL LINK:
『幸せになるためのイタリア語講座』公式サイト