© CV MINOES 2001
MINOES
オランダって、どうもかなり凄い国らしい。
キュートなキャットガールが繰り広げる大人のおとぎ話。

REVIEW:
オランダを訪れたことのある方には何となくわかってもらえるかも知れない、あの国に漂う特有の奇妙な空気感。そんなものを、海を越え共有させてくれる『ネコのミヌ−ス』(原題『MINOES』)は、本国で人々に愛され尊敬される児童文学者アニー・M・G・シュミットの同名小説を映画化したもの。

さえない新聞記者ティベの前に突然現れたミヌ−スは、つい最近までネコだった女の子。お洒落でキュートで正義感に溢れ、ティベと町中の良き人、良きネコの窮地を救い幸せを運ぶ。

物語は勧善懲悪、因果応報のメソッドにのっとり、観る者の心を健康的に浄化させる、いわゆる大人も子供も楽しめるエンターテインメントの王道…なのだけど、そんな純児童文学たる条件に表裏して、子供向けの映画といってしまうには安易過ぎる、大人を魅了するただならない引力を持っている。セクシーなネコ娘、気のきいた挿入歌、カラフルな美術効果etc...いたるところに一貫するその引力の正体は、まさしくオランダが持つのと同じあの空気。仕事帰りに〈コーヒーショップ〉に立ち寄るスーツに身を包んだ小奇麗なOLさん。鼻歌まじりに職務に勤しむ駅員さん。そんな、オランダじゃなきゃ普通じゃないよ…っていう非日常性が市民権を持つ国ならではの独特なこのテンションは、ほとんど大人のファンタスム。ふわっとした幸福感に、身も心もしばし解き放たれた気分になる。

Text:Yukiko Kodama

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『ネコのミヌ−ス』
2004年3月27日よりポレポレ東中野にてロードショー
(2001年/オランダ/83分/配給:「ネコのミヌース」上映委員会)


CAST&CREW:
監督:フィンセント・バル
原作:アニー・M・G・シュミット「ネコのミヌース」
キャスト:カリス・ファン・ハウテン、テオ・マーセン、サラ・バンニールほか


REVIEWER:
Yukiko Kodama

EXTERNAL LINK:
『ネコのミヌ−ス』公式サイト

BOOK:
cover ネコのミヌース
アニー・M・G・シュミット著/徳間書店刊