SPUN グルグルSpinしまくるリアルなダメダメ麻薬中毒青春もの。 凄いキャストとダサいのにオシャレな映像が愉しい群像劇だ！ REVIEW: とにかく僕好みの凄いキャストにまずイカレた。物語の要となるカウボーイファッションの麻薬精製屋「コック」役がミッキー・ロークってのが、まずツボ。んで乗ってる中古車のせいで「ボルボ」呼ばわりで彼のお抱え運転手となる主人公ロス役を『天才マックスの世界』 『CQ』のジェイソン・シュワルツマンが、さらに『８マイル』『アップタウン・ガールズ』のブリタニー・マーフィがコックの情婦でストリッパー(！)のニッキー役ってだけでもう個人的には必見なんだが、まだまだスヴァーリにレグイザモにフュジットと旬の若手が強烈なキャラで登場。脇役にはレズ役のデボラ・ハリー(元ブロンディ)にゲイ役のロブ・ハルフォード(元ジューダス・プリースト)、医者役で一瞬出演もする本作の音楽担当ビリー・コーガン(元スマッシング・パンプキンズ)etc.とオルタナやらデスメタルやらロック好き垂涎の布陣にもなってて、とにもかくにもキャラ立ちのいい映画なのである。 LA郊外を舞台にした話自体は、ドラッグに溺れたダメダメな若者達の３日間を軽快に描く群像劇。グランヂって死語(笑)が頭をよぎる「汚いオシャレ」系青春ものだ。アカーランド監督の発禁プロモビデオ伝説やトンガったヴィジュアル表現(キャラ全員にロゴがあるとか)に観る前はちょっと不安もあったが、意外に程よい斬新さで、ロードムービーやニューシネマの伝統にもリスペクトしててイイ感じ。本作はポップなアメリカ青春映画全体の、グランジ版リメイクでもあるのだ。 Text:Hidemaro Kajiura Copyright © 2004 UNZIP. 『スパン』 2004年6月19日よりシブヤ・シネマ・ソサエティ、他全国順次公開 (2002年／アメリカ・スウェーデン／1時間42分／配給：東芝エンタテインメント) CAST&CREW: 監督：ジョナス・アカーランド 出演：ジェイソン・シュワルツマン、ブリタニー・マーフィ、ミッキー・ローク、ミーナ・スヴァーリ、ジョン・レグイザモ、パトリック・フュジット、デボラ・ハリー、クロエ・ハンター、ピーター・ストーメア、アレクシス・アークエット、シャーロット・アヤナ、ニコラス・ゴンザレス、ロブ・ハルフォード、チャイナ・チャウ、ビリー・コーガンほか REVIEWER: 梶浦秀麿 INTERNAL LINK: コラム“ブリタニー・マーフィ”きさらぎ尚 EXTERNAL LINK: 『スパン』公式サイト