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ONK-BAK
NO CG, NO WIRE ACTION,

REVIEW:
昨年、タイに初めて行きました。現地の文字と言葉、それに原色をふんだんに使った色遣いがなんとも印象的な場所でした。北部に行けば、アユタヤやスコータイといった遺跡もあるし、南部に行けばリゾート地もあって様々な要素が入り交じったなんともいえない不思議な国でもありました。スケジュールがタイトな貧乏旅行だったので、ムエタイの競技場(賭場?)には足を運べなかったのですが、次にタイに行ったら、試合を生で見るぞ!と心に誓って帰ってきたものです。

で、そんなムエタイがスクリーン越しながら拝めるというのだから、なんともありがたい限り。願いが通じたのか、仏教のお国だけあって、お慈悲が有りますな。とはいえ、ただのムエタイじゃないのがこれまた凄いところ。厳密に言うと、ムエタイの達人が事件に巻き込まれてアクションを広げる活動絵巻なんだけれど、タイならではのトゥクトゥクというオート3輪を使ったカーアクションもあったりします。

物語はいたってシンプル。主演のトニー・ジャー演じるティンが住むノンプラドゥ村の寺院から、村の守り神でもある仏像“オンバク”の首が盗まれます。犯人を追ってバンコクへ向かったティンは、僧侶より幼少から教わってきた古式ムエタイだけを武器に、同じ村出身のダメ男ジョージと共に“オンバク”を奪還するためだけに戦い続ける…というもの。農村地帯からバンコクといった繁華街まで描かれつつ、貧富の差や仏教の国であることをあらためて教えてくれたりと、タイという国をあらためて知ることのできる観光要素も含んだ映画だったりします。

悪役は悪役らしく描かれるし、ヒーローの相棒は憎めないけど駄目な奴だったり、正義は最後に必ず勝つ!という、王道パターンをきっちりと踏まえているので、判りやすさ満点。だからこそ、余計なことに頭を悩ませず、純粋にアクションシーンが楽しめるんです。『スパルタンX』や『プロジェクトA』などを彷彿とさせるジャッキー・チェンの闘いっぷりと、ストイックさを追求したブルース・リーのような格闘シーンを足して、アジアンテイストでかき混ぜたようなアクションは、すべてフルコンタクト、ノーCG、ノーワイヤーアクション。合成技術やCGでアクションもここまで来たかって感じの現在ですが、人間の持つ身体能力のみをフルに使ったアクションがまだあったか…と目から鱗の原点回帰。本作が映画初出演になるトニー・ジャーの運動能力があってこそ生まれたアクションシーンの数々ですが、彼に蹴られ、殴られ、吹っ飛ばされるアクションチームの人たちの貢献度も計り知れません。

そういえば、このまえ『マッハ!』ご一行がプロモーションで来日したときに、ガッツ石松と対戦したとか、しないとか。ガッツ石松は引退の2戦前にムエタイ選手にKO負けした過去があるそうで、『マッハ!』とムエタイに一言物申すべく登場したようです。それにしても、彼がムエタイ選手と対戦したなんて、よく調べたものですね。その宣伝部の心意気がOK牧場!

そんなわけで、とにかくトニー・ジャーという新たなヒーローを堪能していただきたい本作。ジャッキーも今やワイヤーメインになってることだし、体一つ張ったアクションヒーローもしばらく現れていないし、これからの素晴らしい活躍を期待したいところです。出来れば、若いうちに無茶なアクションを様々トライしていただきたいなあーとアクションファンとしては思ってたりもして。生身で演じた『プロジェクトA』の時計台からの落ちるシーンなどはやっぱり観ている人をぞくぞくさせてくれますもんね。こうご期待ですね。

そうそう、エンドロールにはNG集やメイキング映像も楽しめちゃうので、終わったからといってすぐに席を立たないようにしてくださいね。

Text:UTAMARU (KinoKino)

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『マッハ!』
2004年7月24日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて公開
(2003年/タイ/108分/クロックワークス、ギャガ・ヒューマックス共同配給)

CAST&CREW:
監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ
武術指導:バンナー・リットグライ、トニー・ジャー
脚本:スパチャイ・シティアンポーンパン
出演:トニー・ジャー、ペットターイ・ウォンカムラオ、プマワーリー・ヨートガモン、ルンラウィー・バリジンダークン、チェータウット・ワチャラクン、ワンナキット・シリプットほか

REVIEWER:
UTAMARU

EXTERNAL LINK:
『マッハ!』公式サイト