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『KEN PARK』KEN PARK

ラリー・クラークとハーモニー・コリンのコンビが挑む、衝撃の問題作

ロサンゼルスの郊外にある町ヴァイセリア。アメリカの中産階級の郊外住宅地であり、スケートボードのメッカとして有名な場所だ。明るく開放的な土地、スケボーでアスファルトを滑走する少年。一見、そこはとても平和に見える。しかし冒頭の数分の間に、私達は現実を知らされることになる。残酷なまでの生々しさをもって。

主人公はヴァイセリアに住む幼なじみの3人の少年と1人の少女。遊び仲間でもある彼らとその親たちの出口の見えない日常の物語が、彼らの日常を切り取ってコラージュしたような映像表現で写し出される。ちょうどそれは、ライブ感あふれる写真集をみているような感覚だ。これは監督のラリー・クラークが、もともと写真家であることと無関係ではないだろう。一貫して“少年性”をテーマにした作品を撮り続けるクラークだが、カメラを通してみることができる彼らの赤裸々な姿は、胸をえぐるような痛々しさでありながら、恐ろしいほどにフォトジェニックなのだから。

ラリー・クラークは皮膚感覚で語ることのできる希有な監督だと言われるが、『KEN PARK』はまさに肌で“わかる”タイプの映画。ひりひりとした痛み、奇妙な温もり、一瞬の輝きの眩しさ。肌に残る感覚は、きっと観る人によって異なるのだろう。


Reviewer : ayako nakamura

ABOUT THIS FILM

2003年9月27日よりシアター・イメージフォーラムにて公開
(2002年 / アメリカ・オランダ・フランス / 96分 / 配給:クライドフィルムズ)

監督:ラリー・クラーク、エド・ラックマン / 脚本:ハーモニー・コリン

出演:ジェームズ・ランソン、ティファニー・ライモス、スティーヴン・ジャッソ、ジェームズ・ブーラード ほか