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『ランゴ』Rango

カメレオン俳優ジョニー・デップ、ついにカメレオンに!

ハイウェイを走る車から投げ出されてしまった、ペットのカメレオン「ランゴ」。それまで水槽の中で生きてきた彼が初めて出た外の世界は、灼熱の砂漠だった。カメレオンお得意の七変化でどうにかピンチを切り抜けながら、やがて西部の辺境にある荒廃した町に辿り着くと、いつも水槽ごしに観ていたTVのヒーローを真似て、自分は西部から来た怖い者なしのヒーローだとウソをつく。偶然が重なって、ニセヒーローは町のヒーロー扱いされるが、やがてニセヒーローのままでは解決できない問題に対面する。そしてランゴは、本当の自分を探し始める。

ある町に謎のよそ者がやって来る、という西部劇の伝統的なスタイルなのだが、ランゴには西部劇のヒーロー達と違って抱えている過去がなにもない。強いて言えば水槽育ちを隠して、ヒーローぶっていることぐらいか。カメレオンのランゴは表面的には何にでもなれる。でも本当の自分は?という、西部劇モチーフの自分探しロードムービーなのだ。

このランゴをとても魅力的なキャラクターにしているのがジョニー・デップ。『アバター』でジェームズ・キャメロン監督が用いたことで知られる「エモーション・キャプチャー」という技術によって、声だけでなく実際に演じた動きや表情をキャラクターに投影しているのだそう。

もうその姿をスクリーンで見ることがなくなったマイケル・J・フォックスが『スチュアート・リトル2』でねずみのスチュアートの姿を借りて現れたとき、まるでマイケルそのもののスチュアートの演技に感動したことを思い出したが、役によって全く別人のようになれるカメレオン俳優、ジョニー・デップがカメレオンになっての七変化の演技もさすが。CG技術の発達によって「俳優がいらなくなるのでは」と言う人もいるが、本作のCGキャラクターたちの生き生きとした演技を見れば、俳優がなくてはならないことがわかるはずだ。

最後に、この映画は絵がとてもきれい。『ブラウン・バニー』の塩の砂漠を思わせるような、広大な砂漠のシーンはほんとうに美しい。ストーリーは特に新しさを感じるものではないけれど、CG映画の今後が技術だけでなくクリエイティブ面で楽しみになる、そんな映画だ。


Reviewer : ayako nakamura

ABOUT THIS FILM

2011年10月22日、新宿バルト9ほか全国拡大公開
(2011年 / アメリカ / 1時間37分 / 配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン)

監督:ゴア・ヴァービンスキー / 脚本:ジョン・ローガン

出演(声):ジョニー・デップ、アイラ・フィッシャー、アビゲイル・ブレスリン、ビル・ナイ ほか

OFFICIAL SITE

http://www.rango.jp

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