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『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』RISE OF THE PLANET OF THE APES

『猿の惑星』に新たな名作が誕生!

世界中に熱狂的なファンのいる『猿の惑星』シリーズ。ティム・バートン監督のリメイク版(監督はリメイクではなくリ・イマジネーションと言っている)『PLANET OF THE APES / 猿の惑星』が公開されてから、今年でちょうど10年になる。神話的とも言える名作『猿の惑星』のプリクエル(前章)の製作が決定し、その監督にイギリスの新鋭ルパート・ワイアットが抜擢されたというニュースが流れたときは低予算作品になるのではないかという憶測も飛んでいた。完成した本作は、心のドラマをしっかりと描きながらもスケール感があって実に見事。

有能な若き科学者ウィル(ジェームズ・フランコ)はアルツハイマー病を患う父親のために新薬の研究をしている。この新薬の実験に使われているのはチンパンジー。後にシーザーと名付けられた並外れた知能をもつチンパンジーの里親になり、親子のような愛情を通わせるウィルが、一方でチンパンジーを動物実験に使うというのはなんとも皮肉な話。物語が進むにつれ、悲しい運命にやるせない気持ちになるが、感傷を越えてシーザーは自分の運命を切り開いて行く。その姿は強く逞しい。知性は「強さ」になり得るんだ、と後からしみじみ考えてしまった。

悲しい運命と「強さ」といえば『バットマン ビギンズ』を思いだす。そちらも名作のプリクエルで前作がティム・バートン監督と共通点が多い。『バッドマン ビギンズ』でクリストファー・ノーラン監督が世界的に注目されたように、ルパート・ワイアット監督の今後が楽しみだ。


Reviewer : ayako nakamura

ABOUT THIS FILM

2011年10月7日よりTOHOシネマズ 日劇他 全国ロードショー
(2011年 / アメリカ映画 / 1時間46分 / 配給:20世紀フォックス映画)

監督:ルパート・ワイアット / 脚本・製作:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー / 製作:ピーター・チャーニン、ディラン・クラーク / 製作総指揮:トーマス・M・ハメル / 撮影監督:アンドリュー・レスニー (ACS, ASC)

出演:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー、ブライアン・コックス、トム・フェルトン、アンディ・サーキスほか

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