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『ボーンズ・ブリゲード』Bones Brigade: An Autobiography

'80年代のスケートシーンを一世風靡した伝説的スケートボードチームのドキュメンタリー

’80年代のスケートシーンのヒーロー軍団「BONES BRIGADE (ボーンズ・ブリゲード)」のドキュメンタリー映画が公開された。’80年代から’90年代頃にスケートキッズだった大人たちにこの映画の話をすると、みんな少年のような顔で嬉しそうに当時の話を聞かせてくれる。「ビデオを擦り切れるまで見たよ」とか、自分は誰のファンだったとか、初めて買ったデッキは誰のモデルだったとか。この映画には、彼らと同じくBONES BRIGADEに憧れる少年だったスパイク・ジョンズも出演しているが、同じような笑顔で話していたのが印象に残っている。

’70年代にスケート業界に革命を起こしたチーム「Z-BOYS」の栄光と挫折を描いたドキュメンタリー映画『DOGTOWN & Z-BOYS』が公開されて約10年になるが、『ボーンズ・ブリゲード』はその続編とも言える。『DOGTOWN & Z-BOYS』の監督で、Z-BOYSの中心メンバーのひとりでもあったステイシー・ペラルタがZ-BOYS解散後に作った夢のチームがBONES BRIGADEなのだ (本作もステイシー・ペラルタが監督している)。

強烈なキャラクターが揃い、破滅的なイメージの強かったZ-BOYSのメンバーの中で、ひとり堅実な優等生タイプに見えたのがステイシー・ペラルタだった。Z-BOYSの崩壊を体験した彼は、最高のスケートボードチームを作ろうとスケートボード用品の製造者ジョージ・パウエルと共に「PAWELL PERALTA」を立ち上げ、全米から無名のスケーターを集めてBONES BRIGADEを結成する。この時に集められたのがスティーブ・キャバレロ、トミー・ゲレロ、ランス・マウンテン、マイク・マクギルといった、のちの超有名スケーターたち。さらにトニー・ホークやロドニー・ミューレンたちが加わり、互いに刺激し合いながら、どんどん新しい技を生み出していく。いまでは当たり前になったスケートビデオやストリートスケートもBONES BRIGADEから始まった。こうして世界中のスケートキッズを魅了し、BONES BRIGADEは、まさに最高のチームとなる。

新しい歴史が生まれる瞬間を記録したドキュメンタリーは面白いに決まっているのだが、それだけではない。本作では、当時のことを語るメンバーみんなが、とにかく嬉しそうなのが感動的だ。ちょうど冒頭に書いた、BONES BRIGADEに憧れる少年だった大人たちのように。彼らがBONES BRIGADEが解散したのちもそれぞれ成功しているこや、その元メンバーたちの呼びかけによって本作が実現したことからも、ステイシー・ペラルタがチームとそのメンバーをどれだけ大切にしていたかが想像できるが、スケートカルチャーの記録映画であるだけでなく、いい話が詰まっていて温かい。こうして思い出しながら思わず笑顔になれる、こういう映画って本当にいい映画だと思います。


Reviewer : ayako nakamura

ABOUT THIS FILM

2012年12月1日、シネマライズにてロードショー
(2012年 / アメリカ / 111分 / 配給:グラッシィ)

監督:ステイシー・ペラルタ

出演:ロドニー・ミューレン、スティーヴ・キャバレロ、トミー・ゲレロ、マイク・マクギル、トニー・ホーク、ランス・マウンテン、クリスチャン・ホソイ、ジョージ・パウエル、ベン・ハーパー、フレッド・ダースト、シェパード・フェアリーほか

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