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『ドラゴン・タトゥーの女』The Girl with the Dragon Tattoo

あまりにも魅力的過ぎるダーク・ヒロインの誕生!

1年で最も寒いと言われる大寒の翌日、待ちに待った『ドラゴン・タトゥーの女』の試写会が行われた。当日の東京は凍えるほど寒く、座席についてほっとしたのも束の間、上映が始まると場内は極寒のスウェーデンの恐ろしいほどの冷気に包まれてしまった。視覚から冷気が伝わるなんて、おそらくはじめての体験だ。

「ミレニアム」3部作として映画化もされたスウェーデンのベストセラー小説をハリウッドで映画化。監督は、あの『セブン』のデヴィッド・フィンチャーである。舞台は凍てつくような冬のスウェーデン。大富豪から依頼された40年前の少女失踪事件の真相にダニエル・クレイグ演じるジャーナリストのミカエルと、“ドラゴン・タトゥーの女”天才ハッカーのリスベットが挑むミステリだ。

本作の最大の魅力とも言えるダーク・ヒロイン、“ドラゴン・タトゥーの女”リスベット役を厳しいオーディションを経て射止めたのは『ソーシャル・ネットワーク』でマーク・ザッカーバーグのガールフレンドを演じたルーニー・マーラ。そう言われても気がつかないほどの変貌ぶりには驚かされる。特徴的なヘアスタイル、ボディ・ピアスにタトゥーといった外見だけでなく、心に深い傷を負い、無表情の内に狂気を秘め、サディスティックな行動とは裏腹に思慮深く聡明、時に健気な面も見せる、といった抗い難いほどの魅力があるリスベットに、完全になりきっている。

余談だが、リスベットのヘアスタイルは、シーンごとにさまざまにアレンジされていて、とてもかっこいい。極端に短い前髪、前側は長め、後ろは短めに残して部分的に刈り上げた髪をモヒカン風にしたり、編み込みにしたりと変化自在。これはレディ・ガガのヘアデザインを担当しているダニロの協力によるものだそう。

上映時間2時間38分と長めの作品だが、観たこと自体が凄い体験だったように感じるほどの、もの凄い映画。あの冷気の中で受けた数々の衝撃に、デヴィッド・フィンチャーの完成形を観たような気さえするほどだ。試写では海外で上映されたものと同じバージョンが上映されたが、日本ではR-15指定で公開されるため、残念ながら編集がされるそう。

主題歌は、レッド・ツェッペリンの「移民の歌」のカバー。音楽を聴いただけで、いまもあの衝撃が心臓に直接響いてくるようだ。


Reviewer : ayako nakamura

ABOUT THIS FILM

2012年2月10日 (金) より全国ロードショー
(2011年 / アメリカ / 2時間38分 / 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

監督:デヴィッド・フィンチャー / 脚本:スティーヴン・ザイリアン / 音楽: トレント・レズナー、アッティカス・ロス / 原作:スティーグ・ラーソン

出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、ロビン・ライト、ステラン・スカルスガルド、ジュリアン・サンズ ほか

TRAILER