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『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』WHAT WE DO IN THE SHADOWS

ちっとも怖くない(笑)愉快でユルすぎるヴァンパイアたちの共同生活(シェアハウス)!

ニュージーランドの首都ウェリントン。住宅街のある一軒家にカメラが入っていくとひとりの男がカメラを導く。なんと彼はヴァンパイア。ヴィアゴ、379歳、この家のまとめ役だ。彼は自宅とそこの住人を紹介してく。最年少183歳でまだ若い(?)ディーコンは血気盛んでちょっぴりとがっている。拷問が好きだと言う古株のヴラドは862歳。8000歳のピーターはいつも石の棺に入っていて滅多に出てこない。そう、ここはヴァンパイアたちが共に生活をしている、いわばシェアハウス。彼らは自分たちの生活を記録に残すためにドキュメンタリー制作のスタッフを雇い入れのだ。そして彼ら、ヴァンパイアたちの生活密着ドキュメンタリーが始まる…。

アメリカや日本でも流行った日常生活に密着するリアリティ番組のような、ドキュメンタリー的な<てい>で本作は進行していくのだが、これまで長い歴史のなかで幾度となく人間を恐れさせてきたはずヴァンパイアの彼らは、ちっっっっとも怖くない!もちろん日中は活動できないから、夜になると彼らは目を覚ますのだけど、家事の担当を決める会議をしたり、音楽を演奏してみたり、踊ってみたり。たまには、街に繰り出してクラブに遊びに行ったり…って、肝心の人間を襲って血を吸うことはどうした!?と思うと、ん?ン?おい!と思わずつっこんでしまいたくなるような迫力のなさに思わず笑わせられてしまう。

あるとき新入りヴァンパイアのニックが、共同生活の仲間に加わったことで、彼らの生活にちょっとづつおかしな、深刻なのか深刻じゃないのか分からないようなトラブルが巻き起こっていく。なにしろニックは、こないだまで大学生だった現代人。急に飛べるようになり嬉しくて街を飛び回るし、夜の街で自分はヴァンパイアだと言って回ったり、ヴィアゴたちの生活をちょいちょいかき乱す。ついは、親友のスチュー(人間)に自分がヴァンパイアだと打ち明け、しかも共同生活に招き入れてしまう。そんなときヴィアゴたちは、スチューの血色が良くて赤いほっぺをおいしそうだと悶々とする始末だから、おかしくてしょうがない。

もちろん、ちゃんとヴァンパイア本来の特徴や弱点も描かれているのだが、これも現代的で、くだらなくて何ともおかしい。例えば、日光は弱点だけど実は太陽を見ることに憧れがある彼らは、Youtubeで日の出の映像を見て感嘆の声を挙げるたりする(映像ならいいのかよ・笑。ヴァンパイアの悲哀もへったくれもない!)。とか、「鏡には写らない」「招かれたことがない建物には入ることが出来ない」といったことが、彼らをちょっと悩ます問題になるのだが、じゃあ何に困るのかは観てのお楽しみ。まあ、なんてことない、くだらなくて思わずつっこみ、笑ってしまうようなことだったりするんだけど。

ヴァンパイアにはつきもののヴァンパイア・ハンターも出て来るし、同じく夜の街を徘徊している狼男たちのグループと出くわしてお互いに威嚇&罵り合ったり (中学生かよ!)、ゾンビたちとは一緒にパーティーを開催したり、ヴァンパイアになりたい人間がいたりとか。なんでもありというか、ネタ満載!古典から現代まで様々なヴァンパイア映画から のオマージュもあって楽しいし、音楽もとても良くてバルカン/ジプシーからパンクやフォークまであらゆる音楽がミックスされ、愉快さ、痛快さに拍車を掛ける。

本来のヴァンパイアが醸し出す恐怖とは真逆!こんな愉快で楽しいヴァンパイア映画観たことない!


Reviewer : yuki takeuchi

ABOUT THIS FILM

1月24日 新宿ピカデリーほか全国公開

監督・脚本:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント
出演:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント、ジョナサン・ブロー、コリ・ゴンザレス=マクエル、スチュー・ラザフォード他

2014年/ニュージーランド/英語/カラー/DCP/ビスタサイズ/85分/原題:WHAT WE DO IN THE SHADOWS/PG-12

配給:松竹メディア事業部  

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