ブリタニー・マーフィ |
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この点では『サンキュー、ボーイズ』のビバリー(ドリュー・バリモア)と親友のフェイ(ブリタニー・マーフィ)に共通するものがある。ビバリーは妊娠したために高校を中退し、結婚して母になるのだが、閉鎖的な田舎町ではスキャンダルになりこそすれ、母になる歓びとはほど遠い心境。こんな時、フェイはビバリーに言う。「私も妊娠した」と。つまり爆弾発言という、ブリタニーらしい方法によって"私たちはこれからもずっと親友よ"とエールを送ったのだ。『8マイル』でラビットにアレックスは言う。「あなたは成功する予感がする---」と。 『サンキュー、ボーイズ』『8マイル』でブリタニーが演じた女性像は、溌剌として媚がない。結論から言えば、このタイプの女性は信頼に足りる。いざという時に日和ったりはしないと思われる。少なくとも自分のことは自分で引き受けるといった、ある種の潔さがにじんでいる。モデルになりたいという夢につけ込まれて、「カメラマンを紹介する」と、甘い言葉を餌にした男に遊ばれても、アレックスの凛とした姿勢は崩れない。こんなアレックスを演じるブリタニー・マーフィは実に生き生きとしている。キム・ベイシンガーとの好対照という意味でも、現代的で魅力的な女性像なのである。 それから『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』でも、ブリタニーはウェイトレスのアルバイトをしながらNYU(ニューヨーク大学)に通う、不倫体質(?)のアシュレーを好演している。さらに新作『Just Married』も待機中。思えば、彼女の名前を知ったのは95年に『クルーレス』で演じたダサイ転校生タイ。以後、既述したようにシリアスからコメディまでの幅広いジャンルで、変幻自在でありながら媚びずに個性的なキャラクターをこなしてきた。そして『めぐりあう時間たち』『エデンより彼方へ』『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』『マイ・ビッグファット・ウェディング』etc、etc。ちょっとした女性映画ブームの今日、ブリタニー・マーフィはその一翼を担うポジションにいる頼もしき女優である。 Text:Nao Kisaragi |
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