Q:タランティーノ監督に「キル・ビル」のインスピレーションを与えたのは、あなただったとうかがっていますが、本当ですか?

A:「パルプ・フィクション」を撮影している時に、クエンティンはこの映画のアイデアを語っていたの。でも、その後、まったくこの企画について聞くことがなかったから、数年前偶然彼に会った時、「ねえ、あの映画の話はどうなったの?」と尋ねたのよ。それで、彼は再びこの脚本に着手し始めたわけ。


Q:ザ・ブライドという役柄については、あなたもずいぶん意見を出したそうですね。

A:そう、クエンティンと私の共同作業で作りあげていった感じね。ずいぶんいろいろと意見交換をしたから、何が彼の案で何が私の案だったのか、もう覚えていないわ。


Q:撮影開始直前になって、あなたが妊娠した時、タランティーノ監督は、あなたの出産が終わるまで撮影を延期するという常識破りな決断をしましたね。

A:そのことについては、今も心から感謝している。ザ・ブライドには、私は最初から深く関わってきたから、もしも他の女優がやることになっていたら、とても妙な気がしたと思う。私にとって、この映画をやることは運命だったの。それと同じくらい、この子を生むこともまた、私の運命だったのよ。

Q:今回の映画には日本のサムライ映画、香港のカンフー映画など、さまざまな要素が含まれています。それらのアクションをこなすために、どんな準備をされたのですか?

A:トレーニングは、出産を終えてすぐスタートしたの。毎日朝9時から夕方5時まで、週5日、3ヶ月。出産直後の体を元に戻すだけでもひと苦労なのに、これはさすがにキツかったわ。でも、私にとってはいい経験になった。自分には到底できるとは思えなかったことができるようになるって、すばらしいフィーリングよ。


Q:この映画にはバイオレンスの要素もたっぷりです。二児の母となったあなたですが、この映画のバイオレンスをどうとらえますか?

A:私の子供はまだ幼すぎるから、この映画を見ることになるのはまだずいぶん先でしょう。でも、その年齢になった頃、彼らはこのバイオレンスがあくまでシネマ体験のひとつとして使われていることを理解してくれると思う。それに、この映画では、女性が強く、たくましく描かれている。ザ・ブライドは、男性に助けを求めようともしないし、被害者意識に取りつかれもしない。こんな女性像を描く映画はあまりないのよ。
だから、私はぜひ将来、この映画を、私の娘にも見てほしいと思うわ。


Text:猿渡由紀

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