[ブラウン・バニー] the brown bunny
2003年11月22日よりシネマライズほか全国ロードショー

監督・プロデューサー・脚本・撮影・編集・ヘアメイク・衣装・美術:ヴィンセント・ギャロ/出演:ヴィンセント・ギャロ、クロエ・セヴィニーほか
(2003年/アメリカ・日本/1時間33分/配給:キネティック)

→monthly feature:Vincent Garo×the brown bunny
(ヴィンセント・ギャロ会見、『ブラウン・バニー』クロス・レビュー)

∵公式サイト

【STORY】
たった独りでアメリカ各地を転戦するバイクレーサーのバド・クレイ(ヴィンセント・ギャロ)。ニューハンプシャーで3位に終わった後、バイクをバンに積み込んで、次のレースがあるカリフォルニアに向かう――アメリカの東の端から西の端への孤独な旅だ。ガソリンスタンドで店番のヴァイオレットという少女を旅に誘い、キスをして甘い言葉を囁きながらも、酷い仕打ちをしてみたりもする……。途中、幼馴染みでかつて恋人だったらしいデイジー(クロエ・セヴィニー)の母親レモン夫人を訪ねるが、隣人だった彼を覚えてはいないようだ。ただデイジーが飼っていたという茶色いウサギに目をやり、音信不通の娘について少し話すだけ……。ある疑念をもってミネアポリスのペットショップに立ち寄ったバドは、とある広場で孤独を密かに噛みしめている女性リリーを無言で慰め、またひたすら東へ。デイジーの想い出が彼を苦しめる。広大な砂漠でただバイクを走らせ、ラスベガスでは街娼のローズを拾うものの何もせずに車から追い出す……。カリフォルニア入りした彼は、かつてデイジーと暮らした家のドアを叩くが、不在のようだ。だが明日はレース場入りという夜、バドが宿泊するロスのホテルを訪ねる者がいた……。

【REVIEW】
かつての恋人への想い、その喪失感……。孤独なバイクレーサーのアメリカ縦断の旅を追いながら、その風景を繊細に心象に重ねて綴ったロード・ムービー。男の側(だけ?)から見たシンプルなラブ・ストーリーでもあり、ここでは内緒のオチまであったりするので、好みは分かれるところだろうけど、いかにもギャロっぽい映画であることは確か。彼のファンは必見の映画である。広大なアメリカを独りで横断する旅を体験させようとするかのようなドライビング映像を、その静謐な詩情と共にじっくり味わってみて欲しい。

日本でも大ヒットした『バッファロー'66』の監督・主演、ヴィンセント・ギャロ(他に『グッドフェローズ』『アリゾナ・ドリーム』『愛と精霊の家』『ネネットとボニ』『GO!GO! L.A.』『グッバイ・ラバー』『コード』『ガーゴイル』などに出演)の長篇監督第2作。いや監督・原案・脚本・主演だけじゃなく、製作から編集・美術・撮影・衣装・音楽などまでほとんど自らで手掛けていて、さらにプロ・バイクレーサーとしての経験を活かしたかのような劇中キャラを主人公に据えて、北アメリカ大陸横断5,000キロ、走行距離1万キロのロードムービーとしてみっちりと描いてみせた意欲作だ。共演は『KIDS/キッズ』『ガンモ』『ボーイズ・ドント・クライ』『ジュリアン』『マップ・オブ・ザ・ワールド』『アメリカン・サイコ』『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス/「女優のブレイクタイム」』『ドッグヴィル』などのクロエ・セヴィニー。2003年のカンヌ国際映画祭では前代未聞の激しいバッシング(主にアメリカのマスコミによる)に晒された問題作だが、日本ではCUTの執筆陣をはじめ熱烈に支持する人も多いようだ。

余談。たまたま前日に、メグ・ライアンがフェラチオ・シーンを目撃する冒頭から始まる『イン・ザ・カット』(04年日本公開予定)を観たので、一部でフェラ・シーンだけが話題になってる本作と、ついボカシ比べをしてしまった。フィルム傷式の『イン・ザ・カット』のオチンチンは画面も暗いのでよくわからず、局部アップに続くシークエンスの棒状のモノに刺青アップってのを観て「チンチンに入れ墨してる!」と思ってたら手首の刺青だったのねギャフン、紛らわしい……って感じ。で、『ブラウン・バニー』の方は明るいホテルの部屋で、なんだけどボヤボヤ〜ンな曇りガラス式(?)ボカシでコチラもちと興醒め。ギャロのチンポ&クロエのフェラ顔は映倫の人だけが観ることができる特権なのか、それとも元からボカしてるのか?? 熱烈なファンに薦められて観た小泉キラリちゃん(知らない人はお父さんに聞いてみよう!)のフェラ演技(笑)の方が、やはりボカシ入ってるけど凄いぞ! というかクロエちゃんファンとしては見えないながらもそういうことをさせちゃうギャロに激しく怒りを感じたりもするので、男ゴコロというのは厄介だなぁ(トホホ)。なんの余談だ。

Text:梶浦秀麿



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