Shrek 2
あのモンスターが帰ってきた。今度の旅は<遠い遠い国>に住むフィオナ姫の両親に結婚のご報告?

REVIEW:
“ふたりは末永く幸せに暮らしましたとさ…”とハッピーエンドで終演を迎えた前作。めでたしめでたし…と思っていたら、前作を上回るボリュームとCGのクオリティでスクリーンに緑色の怪物が帰ってきた。しかも、次なる旅は<遠い遠い国>の国王であるフィオナ姫の両親にご挨拶だというのだから、なんとも普通の人っぽい話である。とはいえ、茶の間で、
シュレック:「お父さん、娘さんをお嫁にください」
国王:「お前のような、どこの馬の骨とも知れない奴に娘をやれるか!」
王妃:「あなた・・・(涙)」
フィオナ姫:「お父さん、彼のことを私も愛しているの、お願い!結婚を許して!」
国王:「えーい、うるさい」
といった昼メロのようなやりとりがある訳もなく(まあ、今時の昼メロもそんなやりとりはないが)、今回もまたドタバタの事件や問題が続出するから、観る者の期待はまったく裏切らない。

本作ではシュレック(声:マイク・マイヤーズ、濱田雅功)、フィオナ姫(声:キャメロン・ディアス、藤原紀香)、ドンキー(声:エディ・マーフィー、山寺宏一)のメインキャストとピノキオやクッキーマン、3匹のチビマウスといったお馴染みの共演者に加え、新たにフィオナ姫の父、ハロルド国王(声:ジョン・クリース)や母、リリアン王妃(声:ジュリー・アンドリュース)、妖精のゴッドマザー(声:ジェニファー・ソーンダース)、息子のチャーミング王子(声:ルパート・エベレット)、バー毒リンゴのママ(声:ラリー・キング、ジョン・カビラ)、そして怪傑ゾロのコスチュームを身にまとった長ぐつをはいたネコ(声:アントニオ・バンデラス、竹中直人)などが登場して話を盛り上げる。そんな中で特に秀逸なのは長ぐつをはいたネコで、怪傑ゾロ=バンデラスという安易な公式でキャスティングされた彼の美声もさることながら、ドンキーとシュレックの相棒の座を奪い合ったり、ネコであることを武器にした戦い方など(猫かぶり?)、かなり美味しいキャラに仕上がっている。来日した声優初挑戦のバンデラスも随分楽しんだとコメントしていたっけ。

楽しいといえば、おとぎ話の世界がモチーフだけに、シンデレラをはじめ、日本では馴染みの薄い主人公たちまでが至る所でネタになったり、前作以上に他の映画の有名なシーンをパロってみたりと、遊び心もパワーアップしている。2作目の余裕ってやつですね。マニアックなネタや海外ならではのユーモアのセンスは、日本人に伝わりにくい部分もあるけれど、それでも笑えるシーンは山ほどあるし、生身の人間なら普通に出来る“笑いの間”も、CGであえて挑戦しているからそれも要チェックだ。

とにかく、前作を観た人も観てない人も十分に楽しめる内容になっているからご安心あれ。また、人や物事は見かけではなく中身が大切というメッセージは2作目でもしっかりと息づき、物語の終盤にきっちりと締めてくれるのがこれまた心地よい。そんなわけで、見終わったあとは、笑いと感動を存分に味わえた満足感と共に劇場を後にしてもらえるだろう。でも、エンドロールが始まってもすぐに席は立たないように。なんでかって?それは、まあ観てのお楽しみ。

Text:UTAMARU (KinoKino)

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『シュレック2』
2004年7月24日より日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
(2004年/アメリカ/1時間33分/配給:UIP)

CAST&CREW:
製作総指揮:ジェフリー・カッツェンバーグ
監督:アンドリュー・アダムソン、ケリー・アズベリー、コンラッド・バーノン
出演:マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィ、アントニオ・バンデラスほか

REVIEWER:
UTAMARU

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『シュレック』レビュー

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『シュレック2』公式サイト

DVD:
cover シュレック