俺が大好きなパンクバンド、フロム・マンチェスター、そうバズコックス! 彼等のファースト・シングル、『スパイラル・スクラッチ』に入っているパンククラッシックのタイトルは『BOREDOM(退屈)』退屈から始まるパンクロック。マンチェスターにもロンドンにもなんにも無い!、かっこいいぜーとか言って彼等のパンクロックにしびれていた俺は、何年かしてそのバンドの中心人物ピート・シェリーのクラブヒット『TELEPHONE OPERATOR』を聴く。縦ノリしかしらない俺を、初めて横に踊らせた。

俺が大好きなパンクバンド、フロム・マンチェスター、そうザ・スミス! 『THEHEADMASTER RITUAL』俺にとってのパンクロックは人の心をかき乱すものであり、このいじめられっこの歌は俺の心を激しく揺さぶった。4分52秒の間、俺をいとも簡単に加害者に引きずり落としてしまったのだ! あんな瞬間は他になかった。この曲が静かなるパンクロックを初めて俺に教えた。

俺が大好きなパンクバンド、フロム・マンチェスター、そうザ・ストーン・ローゼズ! 彼等の初来日公演、彼等に照明が当たる事はほとんどなかった。バックライトに照らされていた彼等、正に後光が射していたと言いたい所だが、それは全くの間違いだと気付いたのはライブが終わってしばらくしてだった。照らされていたのは俺達だったのだ! オーディエンスが主役になった瞬間を俺は初めて体験していたのだ!

何かにつけ、俺に初めての体験をさせるマンチェスター。モリッシーはこう言った。「あぁマンチェスター、償うべきことが多すぎる」それを聞いて俺は苦笑いをするしかなかった。

こんな事をこの映画を観て考えたんだ。そしてある本の一文を思いだした。「昨日のパーティドレスほど最低で惨めなものはない、特に二日酔いの朝には。」

TEXT:Kohji Takahashi(PEAL OUT)
 

BUZZCOCKS『SPIRAL SCRATCH』
(BOREDOM収録)

THE SMITHS『MEAT IS MURDER』

THE STONE ROSES『THE STONE ROSES』





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